火災保険には入った方がいいのでしょうか?


火災保険
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火災保険は、建物やそこに収納される家財の損害に対する損害保険です。もしUさんの住居に何らかの損害が生じた場合に補償されます。実は、住宅ローンの申込時に提案される火災保険には三つの意味があります。

1.債権者(金融機関)のリスクヘッジ

住宅ローンを完済するまでの期間は、債権者(金融機関)が抵当権を持っています。もしUさんが住宅ローンを返済できないようなことが起こった場合、債権者となる金融機関は住宅ローンの残債の代わりに住宅を差し押さえることができます。この権利のことを抵当権といいます。

火災などで住居が全損した場合、抵当権があっても、住宅ローンの残債に対して差し押さえるものがなくなってしまいます。このリスクを回避し、残債に対する担保を取るために火災保険が必要なのです。そのため、ほとんどの金融機関が住宅ローンの契約条件の一つに火災保険の加入を義務づけています。また、金融機関は損害保険の代理店を兼ねていることが多く、火災保険の契約を預かれば販売手数料を得られるという側面もあります。

2.万が一に備える、借主の生活再建資金

抵当権は別として、住居や家財に損失が起きた場合、修理や再建、代替え品の購入など、様々な費用が掛かります。それを補償してくれるのが火災保険です。仮に火災などで住居が全壊した場合、再建するには数千万円単位の費用が必要になるでしょう。火災保険に加入していれば再建費用を補うこともできますが、未加入であれば全額を自分で準備することになり再建できないこともありえます。このことを考えると火災保険の加入は必須といえます。

3.火災保険は火災以外でも役立つ

火災保険はその名の通り火災発生時の損害をカバーしてくれる保険ですが、火災以外のさまざまな事故にも対応しています。保険会社・契約内容により補償範囲が異なりますが、代表的な補償例としては台風などによる家屋の損害や排水に伴う水濡れ事故、大雨などによる床上浸水、偶然の事故による家屋や家財の損害など、補償範囲は非常に幅広く設定できます。また自転車の事故などによる第三者への賠償を補償する特約なども準備されており、日常生活を守ってくれる保険です。
 

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まとめ


家を守る
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住宅を購入する際は、火災保険と団体信用生命保険の加入は必須です。また保険に対する基本的な考え方は、価値や値段が高いものにこそ保険をかけるということです。

・火災保険 → 住居や家財などの損害に備えるもの
・団信 → 万が一の返済リスクに備えるもの

債務者の死亡時のみに備える基本的な団信の費用は住宅ローンの返済額にあらかじめ組み込まれています。保障内容を充実させるための団信は金利の上乗せが必要なこともありますが、現在の低金利を活かして、保障を上乗せすることを検討するのも良いのではないでしょうか?

また火災保険は、自然災害が増加している影響で年々保険料が高くなっているとはいえ、生活再建のためにも十分な補償内容が必要だと思われます。

マイホームの購入は、人生でも最大級に高価な買い物の一つです。分からないことはそのままにせず、一つひとつ確認しながら進めてくださいね。