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●2023年のからあげグランプリで初の金賞を獲得した話題の「旨塩からあげ」を日本唐揚協会認定カラアゲニストが実食レポート!

 日本唐揚協会が主催する「からあげグランプリ」では、必ずと言っていいほど、毎年初受賞のお店が出てきますが、そんなお店はからあげ界の「新星」「ニューフェイス」と言われて注目を集めます。

 そして2023年の第14回からあげグランプリでも、そんなお店がいくつかありました。大阪・高槻で創業し、全国に34店舗を構える人気チェーン『大衆食堂 安べゑ』もその「新星」のひとつ。塩ダレ部門で初めて金賞を受賞しました。


『肉豆冨とレモンサワー 大衆食堂 安べゑ 亀戸駅前店』。くぐりやすい暖簾の形状がユニークです

 一体どんなからあげを味わえるのか、東京・亀戸にある『肉豆冨とレモンサワー 大衆食堂 安べゑ 亀戸駅前店』にお邪魔してさっそくいただいてきたので、その味の魅力をレポートしていきましょう。

藻塩の旨みが舌をとろけさせる絶品からあげ


右が金賞受賞の「旨塩からあげ」。真ん丸なルックスがなんとも愛らしい。左が「手羽先盛合わせ」

 金賞を受賞したのは「旨塩からあげ」です。2個と4個がありますが、ここは当然4個(548円)をチョイス。同店の人気メニューである「手羽先盛合せ」(5本・768円)とともにいただくことにしました。

 まずは「旨塩からあげ」。コロンとしたルックスがかわいらしい。ゴルフボールのような真ん丸です。揚げる前に丁寧に成形しているのだとか。最近はこうした真ん丸からあげを見る機会が増えましたよね。これは美しいだけでなく、揚げるときに肉に均等に熱が入って絶妙な揚げ具合になるのもメリット。


箸でつまみやすいサイズと美しいかたち。揚げる前にしっかりと成形しているそう

 ひと口ガブリといくと、いきなり塩の旨みに襲われます。塩味が実にイイ! 聞けば、淡路島の藻塩を使った漬けダレにひと晩しっかりと漬け込んでいるそうです。かすかに甘みも感じる、美味しい塩の味わいが口の中で乱反射。上顎や舌の裏にまで拡散された旨みが舌の上に跳ね返ってきます。暑い日に汗をかいたあとに食べたくなるような、爽やかな味ですね。


肉汁豊富で、旨みたっぷりの塩味が絶品!

 衣はカリカリ食感で、これまた秀逸なウマさ。油っぽさもなく、肉には弾力の中にもフワッとやさしく歯を受け止める柔らかさも感じます。食べ終えて、4個で正解だったと実感。2個ではとても足りません!

5色5味の肉厚手羽先からあげも美味い!


「手羽先盛合わせ」。下から「赤・唐辛子入りスパイス」、「黄・カレー」、「緑・あおさ」、「黒・黒胡麻」、「白・塩」

 手羽先からあげは5種類の味。赤:唐辛子入りスパイス、黄:カレー、緑:あおさ、黒:黒胡麻、白:塩の5色です。串に刺さって、ピンと伸びたルックス。食べるこちらも思わず背筋がピンと伸びます。いずれも肉厚で、チップの部分まで美味しい。可食部豊富な手羽先からあげです。

「唐辛子入りスパイス」はビリッとくる刺激を予想しましたが、意外に丸みのある辛さ。食べ進むうちにそれがジワジワと強くなっていき、額には汗もジワジワ。「カレー」は甘みを感じるスパイシーな味わい。これは子どもに人気がありそうな味わい。


「赤・唐辛子入りスパイス」。串に刺さっているので食べやすい。チップの部分もウマい!

 そして「あおさ」はほのかに磯の風味もただよう爽やかな和テイストです。「黒胡麻」はゴマの旨みと甘みがコクを加えています。「塩」はシンプルですが、さっぱりとしていて実に味わい深い。筆者的にはこれが一番好きでした。

まとめ

 というわけで、『大衆食堂 安べゑ』の「旨塩からあげ」は、まさに金賞の名にふさわしい美味しさでした。あっさりしていながら塩の旨みが舌もおなかも心も癒してくれる味です。

●SHOP INFO

店名:肉豆冨とレモンサワー 大衆食堂 安べゑ 亀戸駅前店

住:東京都江東区亀戸5-1-1
TEL:03-5628-5519
営:11:30~23:00
休:無休

●著者プロフィール

松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。