カネカの「ピュアナチュールヨーグルト」がオーガニックに!北海道で自ら運営する有機牧場の取り組みとは

牛が自ら喜んで入る自動搾乳機⁉ 牛だけでなく人にもやさしい


牧場と言えば牛の乳搾り。一般的な牧場では1日に2~3回搾乳があり、それぞれ2~3時間かかります。酪農業の皆さんにとってはこの搾乳が一番の重労働のため、「別海ウェルネスファーム」ではそれを解決するべく自動搾乳機を導入しています。


乳房の洗浄が終わった後、ミルカーと呼ばれる搾り口もレーザーで感知し設置されます。

牛たちは乳を搾ってほしくなったら自動搾乳機に行きます。ここでしか食べられない飼料があるため、自分から望んで入りに来るそうなんです。機械が首元のセンサーを読み取って、その牛の搾乳状況を把握し、適切な量を搾ります。その間、人の手はほとんど介在しません。


自動搾乳機の前には、搾ってほしい牛で行列ができることも。また、特別な飼料が食べたくて何度も入りに来る牛もいるそうです。しかしデータで搾乳量が管理されているので、そういう場合は出口ゲートが開き、出ていく仕様になっているとのこと。よく考えられています(笑)。

逆に搾乳回数が少ない牛については、スタッフが搾乳機まで連れて行きます。牛は1日2回程度搾乳されないと乳房が張り、乳房炎になってしまうそう。放牧場へのゲートも、搾乳量が足りていない牛は外に出られないようになっています。その他、個体別の運動量のチェックなど健康状態を把握するのにも役立っているそうです。

ちなみに牛は、遺伝子の違いによって牛乳に含まれる「βカゼイン」のタイプが異なり、「A1タイプ」と「A2タイプ」に分かれます。「別海ウェルネスファーム」の牛たちはすべて遺伝子が「A2タイプ」であることを確認済み。まだ研究段階ではありますが、「A2タイプ」はより人の母乳に近く、お腹がゴロゴロしにくいと言われています。見た目も味も普通の牛乳と変わりませんが、健康志向の高まりを受けて海外でも注目を集めているタイプなのだそうです。

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有機飼料の自家栽培&自社ソーラー発電で環境にもやさしい


敷地内にある飼料用のデントコーン畑

牧場で出た牛の排泄物は敷地内で堆肥にして自社での有機栽培として活用し、牛の飼料にします。このように資源がグルグルとまわるサイクルなので“循環型”有機酪農と呼ばれています。

ゼロベースからの酪農なので知識やノウハウがなく、最初は除草にも苦労したそう。現在は北海道大学の先生や他の酪農家さんからのアドバイスを受けながら、よりよい飼料となるように試行錯誤を続けているといいます。


また、太陽光発電による再生エネルギーを利用しているのも「別海ウェルネスファーム」の特長のひとつ。ゼロエネファーム化に取り組んでおり、牧場で必要な電力をまかなうことを目指しています。