低コストの追求だけがライフプラン3.0世代ではない?

タイパ、コスパという言葉がZ世代やライフプラン3.0世代の象徴的なキーワードとして紹介されます。

省時間になるなら映画やドラマを倍速で視聴するような「タイパ」、100均に代表されるように同じ品質なら低コストにこだわる「コスパ」は、今や若い世代のライフスタイルとしてはごく普通のものとなっています。

これだけを見ると、低コストで省エネな人生を楽しもうというのが若い世代の特徴のように見えますが、本当でしょうか。

実はタイパやコスパがもっとも重要視しているのは「費用対効果」です。いろんなコンテンツをたくさん見たいからこそ、ものによっては倍速で視聴するのですし、より多くの商品やサービスを活用したいと考えるからこそ、同クオリティであれば低価格を求めます。結果として「低コスト」が目立っているわけです。

そんなライフプラン3.0世代でも、高品質へのこだわりがないわけではありません。

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高品質なものをバランスよく保有する

近年は、クラフト系ブームが来ているそうです。クラフトビールやクラフトコーラなど、楽しんでみると味わいの深さに驚かされ、食の世界が大きく広がります。ただし、お値段はもちろんお高めです。スーパーマーケットで買うビールやコーラの値段と比べれば倍以上ということもあります。

大量生産品ではないクラフトマンシップによる鞄や日用品、一点ものの服なども人気があるそうです。ネットでは、個人で営む工房のアート作品が人気で、何カ月も納品待ちだったりします。これらはちょっと高いお値段がついていて、勇気がいりますが、長く使えることもあります。100均では絶対に買えない「質」があるわけです。

こだわりの高品質なモノを量や品数を絞って保有する、というのは、ライフスタイルとしてあっていいと思います。何でもかんでも低コストにして、低品質な商品や食品に囲まれ、結果として生活の満足度が低下してしまうのは、人生の喜びも枯れ果ててしまいます。

こうしたこだわりの作品や製品は「見つけて、選ぶ」プロセスを楽しめるのもいいところです。雑誌やWEBの目利き編集者による記事、あるいは自分なりのリサーチで探し当てる楽しみがあります。多くのクラフトショップは、自社のWEBやSNSで製品の品質やこだわりぬいたポイントを解説しているコンテンツを掲載しているので、読みながら製品の良さに思いを馳せるのもいいでしょう。

まだ商売が軌道に乗っていない工房やクラフト作家は、クラウドファンディングで資金募集を行うこともあります。取り組みに賛同して応援し、リターンとして製品を手に入れるのもまたおもしろい経験となります。