新NISAで教育費を貯めるメリット・デメリット


資産運用のバランス
【画像出典元】「stock.adobe.com/Andrey Popov」

前掲の表で試算してみましたが、つみたて投資の効果は想像よりも大きかったと思います。ここでは改めて新NISAで教育費を貯めるメリットと、デメリットをあげていきます。

【メリット】

・非課税で運用が可能、利益も税金無しで受け取れる
・運用期間の縛りがないため、早めにスタートすれば長期間で運用できる
・進路が変わって早めに資金が必要な場合、途中で売却できる
・子どもが成長したタイミングで「投資信託を使い、運用で教育資金を準備している」ことを説明することで金融教育ができる
・新NISA以外で教育資金が準備できれば、新NISAの資金はそのまま保護者の老後資金などに使うことができる
・投資する金額を「増やす・減らす」自在性がある

新NISAの最大のメリットは非課税期間の縛りがなく、長期間の運用ができることです。「長期・分散・積み立て」の長期投資で、コツコツと金融資産を増やしていくという目的にはピッタリの制度です。

【デメリット】

・元本保証がない
・商品によっては、必要な金額を確保できないことがある
・生命保険の機能はない
・自分で投資商品を選ぶ必要がある
・途中で換金してしまい必要資金を確保することができないことがある

新NISAの最も大きなデメリットは元本保証がないことです。投資信託はマーケットの影響を受けるため、不景気や暴落などが発生した場合に元本を割り込む可能性があります。また自分で投資信託を選ぶ必要があるため、投資経験がない人にとっては難しいこともあるでしょう。

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教育費を準備するのに適した投資信託は?

教育資金は使うタイミングがある程度予測できる資金です。そのため、投資信託を始めるタイミングのお子さんの年齢によって適した商品が変わります。

お子さんが誕生~小学校低学年の場合

大学入学までに10年以上の時間があれば、全世界や先進国など海外の株式に連動するインデックスファンドがおすすめです。一般的に10年以上の運用期間があれば、仮にマーケットが暴落するようなことがあっても元本割れはしないと言われています。

お子さんが小学校高学年~高校生の場合

大学入学までの期間が10年を切っているタイミングであれば、国内外の株式50%と国内外の債券50%がミックスされているインデックスファンドのバランス型が良いと考えます。株式だけの投資信託よりもリターンは少なめですが、債券をミックスすることで値下がり局面でもマイルドな値動きをします。

使うタイミングまで時間があれば、値動きが活発な株式型の投資信託を中心に積み立てると教育資金をしっかり準備できると思います。また使うタイミングが近いのであれば、万が一、暴落などが発生したときの大幅な資産価値の下落リスクをなるべく小さくするために、債券を含んだ値動きが小さめの投資信託で積み立てると良いでしょう。

まとめ

日本における投資の歴史の中で、新NISAのスタートは革命的な出来事になると思います。非課税で超長期の運用ができ、保有している投資信託を売却すると翌年には投資枠が復活するという画期的な制度です。この制度を使えば教育資金や老後資金の準備が今まで以上に効果的にできると思います。新NISAがスタートすると、教育資金の準備に生命保険を使うケースは少なくなるのではないでしょうか。

ただし投資には一定のリスクが伴います。一般的に、「リスクが高い場合はリターンも高くなり、リスクが低い場合はリターンも低くなる」という傾向があります。したがって、高いリターンを期待できる投資は、その価値が下落するリスクも高くなります。高いリターンを追求すると、同じ期間で同じ目標金額を達成するために必要な元手が少なくて済むかもしれませんが、その代わりに、元本割れをする可能性もあります。

一方、貯金や生命保険のようにリスクを取らずに資産を安全に積み立てたい場合、現在の低金利の状況では、運用収益がほとんど期待できないため、必要な積立金額が大幅に増加することになります。

10年以上の期間がある場合は、リスクを取りながら運用のリターンを期待して資産形成を行うことがおすすめです。

大切な教育資金です。現在の積み立て可能な金額と目標金額、期間を比較し、適切な準備の方法を選択しましょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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教育資金に関するQ&A

Q:変額保険とつみたてNISA、どちらが良いですか?

A:どちらの商品も投資信託を積立購入している部分は同じです。ただし変額保険は死亡保障が含まれており、保険関係の費用の分、運用効率は下がります。死亡保障が必要ならば、掛け捨ての定期保険等とつみたてNISAを組み合わせて準備することをおすすめします。

Q:大学資金を生命保険で準備する時は子ども名義ですか?

A:学資保険を例にとると、契約者は父(母)・被保険者は子ども・受取人は父(母)という組み合わせが一般的です。契約者と受取人を同一にしておけば、受取時の税金はほぼ発生しません。終身保険や変額保険を使う時は契約者と被保険者を同一にすると良いでしょう。