事前に不動産会社へ聞いておきたいこと

防音性の高いマンションを選ぶ時は、内見前に不動産会社へいくつかの質問をしておくのがおすすめです。
事前に聞いておくことで、求める防音性がしっかり整っているかがわかるためです。
求めている防音性よりも低い性能だった場合、内見に訪れる時間が無駄になってしまうかもしれません。
防音性にこだわる場合は、以下のポイントを事前に聞いておきましょう。

壁の構造

特に聞いておきたい項目として、壁の構造が挙げられます。
壁の構造は、人の話し声やテレビなどの音漏れに関係してきます。
壁は隣の部屋と直に接している箇所であることから、壁の構造次第では話し声やテレビの音などが伝わりやすくなってしまうでしょう。
そのため、壁にはどのような素材を使っているのか確認してみてください。
壁の防音性を左右する仕上げ方法は、一見防音性が高そうに見える二重構造の「GL工法」ではなく、「クロス直貼り方法」がおすすめです。
GL工法を避けた方が良い理由は、壁と壁の間にある空洞が振動し、音が伝わりやすくなってしまうためです。
また、安心できる壁の厚さは、150~180mmと言われています。
厚みに関しては不動産会社に聞くことも可能ですが、実際に施工した際に使われた竣工図でも確認できます。

床の構造

壁と同じく厚みがあるほど防音性が高くなるのが床です。
床の構造に関係してくるのは足音や物を落とした時の音で、上下の部屋と直に接していることがその理由になります。
一見騒音トラブルにつながりそうなフローリングでも、遮音フローリングが採用されていたり、緩衝材を詰める二重床工法などが採用されていたりすれば、防音性に優れた床の構造と言えるでしょう。
防音性が高いと言える床の厚みは、180~200 mmほどと言われており、こちらも竣工図で確認できます。

窓のサッシ

外から聞こえてくる音を防ぐ役割をするのは、窓のサッシです。
車や電車の音、人の声などが気になるという方は、窓のサッシについてもしっかりと聞いておきましょう。
そこまで気にならないという方でも、周辺に大きな道路や線路がある場合は窓サッシにもこだわるのがおすすめです。
窓サッシには等級があり、防音性の高さでT1~T4までが存在します。
防音性が低いT1ですが、実際はT1のサッシが一般的であり、線路沿いなどでなければ十分な防音性が期待できるでしょう。
線路沿いのマンションや外からの音を遮断したいという方は、T2以上のサッシがおすすめです。

居住者の家族構成・ペット

マンションに住んでいる人の家族構成やペットの有無も必ず確認しましょう。
小さな子どもがいる場合は、子育て中の世帯が多いマンションを選ぶ、できるだけ静かに暮らしたいという場合は単身世帯やセカンドライフ世代の多いマンションを選ぶといった工夫が必要です。
ペットに関しても、ペットを飼っている住居者が多いほど住みやすくなります。
自分と同じ世帯や特徴を持っているマンションでは「お互い様」と思えることも多いため、自分も相手もある程度寛容になれるでしょう。

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内見時にチェックしておきたいポイント

次に、内見でチェックしておきたいポイントです。
数字で見た防音性と実際に耳で確かめる防音性とではギャップが生じる可能性があります。
実際にマンションを訪れ、防音性の高さを確認しましょう。

部屋にいることが多い時間帯に内見する

昼間の内見は防音性の確認には向きません。
理由としては、住んでいる人のほとんどが仕事や保育園、学校に行っている時間帯であるということが挙げられます。
防音性をチェックしたい場合は、住民が帰宅する時間帯に内見を行うのが望ましいです。
場所によっては、曜日によって騒がしさが異なるケースもあるため、自分が部屋にいることの多い時間帯・曜日に内見してみましょう。

窓を開けた時・閉めている時で音を確認する

外からの音を防ぐ役割を持つサッシの性能を確かめるために、窓を開け閉めして防音性を確認しましょう。
等級などで確認していても、人によっては物足りないと感じることがあります。
同時に窓を開けた時に入ってくる音を許容できるかどうかのチェックも行いましょう。
窓を開けられないほどの騒音が聞こえるケースもあるため、忘れずに確認することが大切です。

壁を叩いてみる

壁の防音性を確かめるために、壁を叩いてみるという方法があります。
壁の中の密度が低い場合は、防音性も低い可能性があります。
壁の中が詰まっていて低い音が鳴る場合は防音性が高く、壁の中に空洞があるような高い音が鳴る場合は防音性が低いと言えます。
壁を叩く前に不動産屋に許可をもらうことも忘れないようにしましょう。

共用部が清潔でマナーも守られている

共用部分が綺麗で大切に使われているかどうかは、住民の質を見極める材料になります。
いくら防音性の高いマンションであったとしても、常識を超える騒ぎ方をする住人がいれば騒音トラブルに発展するでしょう。
住民の質もしっかりとチェックすることによって、トラブルが起きにくいマンションを選べます。

周辺環境のチェックも忘れずに!

マンションの周辺に駅や学校、幹線道路がないかをチェックすることも大切です。
防音性が高くても、車や電車、通行人が最低限であった方が騒音を気にせず静かに過ごせるためです。
ここでのポイントは、マンションの周りに建物が密集しているかどうかになります。
駅や学校がマンションの近くにあっても、周りに建物が多ければさほど音は気になりません。
特に駅が近いマンションは利便性に優れていて快適に過ごせるため、駅が近いからと言って諦めるのは惜しいです。
内見で防音性を確認するとともに、周辺環境による影響もしっかりとチェックしましょう。