ふるさと納税の「5割ルール」が厳格化

ふるさと納税は元々「自治体間の税収格差の是正」を目的として設けられましたが、一部自治体が高還元な返礼品を提供することで寄附が集中し、税収の格差拡大につながる側面も浮上しています。そのため2023年10月から、ふるさと納税について、いくつか見直しが行われました。見直しの中で特徴的なものは以下の2点です。

・「5割ルール」の厳格化⇒返礼品やその他の経費の合計を寄附額の5割までとする
・地場産品の基準の厳格化⇒精米と熟成肉は、主要部分の加工・製造のみならず「原材料も同じ都道府県産であること」が必要

ふるさと納税も競争が厳しくなり、近年は寄附の取り合いになっています。自治体間で過当競争になり、その影響で寄附された金額のうち、有効に使える部分が少なくなっていたという弊害が出てきました。今回の改正はそれを是正することを目的にしています。一部自治体の返礼品では「値上げ」や「廃止」されているものも出てきています。

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2024年注目のトピックは?


2024
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2024年にも私たちの生活に関するさまざまなお金のトピックが予定されています。

2024年1月、新NISA スタート

個人投資家にとって革命的な制度の導入です。非課税投資枠が大幅に拡大し、制度が恒久化されます。従来のNISA制度からの主な変更点は下記の通りです。

1)成長投資枠240万円とつみたて投資枠120万円が併用できます
2)年間投資上限額が最大360万円に拡大されます
3)1人当たり1800万円の非課税投資枠を持つことができます
4)非課税投資期間が無期限となり、長期間にわたって非課税運用が可能になりました
5)非課税投資枠で保有していた金融商品を売却すると、売却額に応じて翌年に非課税枠が復活し、再利用ができます

これまで投資信託での運用や株式投資などが未経験の方も、この機会に少額でも良いのでスタートすることをオススメします。なお預貯金と異なり、資産価値が変動します。この点は注意しましょう。

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2024年1月、住宅ローン減税の条件変更

2024年以降は、どのような新築住宅であっても、住宅ローン控除の対象になる借入限度額が一律で引き下げられます。この影響で住宅ローン控除の最大控除額も下がります。

新築住宅の場合、省エネ基準などに適合していない「その他の住宅」については原則住宅ローン減税を受けることができなくなります。なお中古住宅は、控除内容の変更はありません。これからマイホームを購入・建築予定の人は注意しましょう。

この条件については、政府・与党でまだ議論が続いており、子育て世帯への税優遇を継続するなど(12月8日日本経済新聞)変更の可能性もありますので、動向を注視しておきましょう。

参照:国土交通省「住宅ローン減税の概要について

2024年7月頃、新紙幣の導入

2024年7月前半を目処に新紙幣が発行されます。新紙幣発行は約20年ぶりです。

・1万円札:渋沢栄一が肖像に選ばれました。日本近代社会の創造者とも呼ばれています
・5000円札:生涯を通じて、女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家、津田梅子が肖像に採用されています
・1000円札:「近代日本医学の父」と呼ばれている北里柴三郎が肖像に採用されています

偽造防止はもちろん、識別マークの配置を換えたり、額面数字を大型化したりして、より使いやすいように改良されます。

2024年10月、児童手当の拡充


児童手当
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2024年10月分から児童手当が拡充され、支給は同年12月にスタートする予定です。当初は、拡充後の最初の手当を2025年2月に支給する予定でしたが、スケジュールが前倒しされます。拡充の要点は下記の通りです。

・所得制限が廃止になり全員対象に
・支給対象年齢は18歳(高校卒業)まで延長へ
・第3子以降は3万円支給へ
・支給頻度が年3回から年6回へ

これまで高校生は対象ではありませんでしたが、新たに高校生(1万円支給)も手当の対象になります。所得制限についても廃止予定です。一方で、児童手当の拡充に伴い、高校生の扶養控除が縮小される方向で検討されています。

※2023年11月現在、児童手当の拡充については審議が継続中です。そのため、今後さらに変更される可能性があります

まとめ

新型コロナウイルスの影響は徐々に収束してきたものの、ウクライナとロシアの戦争、円安などの影響を色濃く受けたのが2023年だったと思います。ガソリン代や電気代など日常生活に直結する費用が高止まりし、食料品などの値上がりも目立った1年でした。残念ながら2024年も、この傾向に大きな変化はなさそうです。2024年は本当に必要なものにお金を使い、必要のないものへの出費は控えるなど、メリハリをより意識していく必要のある一年になりそうです。