自分の部屋でできる騒音対策

両隣や近所の人もうるさいと感じていることが確認できれば、管理会社に相談する時の心強い材料となります。
しかし、音の感じ方には個人差があるため、うるさいと思っているのは自分だけだったということも考えられます。
だからといって我慢するよりも、自分でできる何らかの対策を講じた方がストレスを軽減できます。
そこで、続いては自分でできる防音対策を4つご紹介します。

耳栓やイヤーマフを使う

自分でできる最も手軽な防音対策は、耳栓やイヤーマフを使うことでしょう。
ただし、ポリウレタン製の耳栓は収縮があることにより、耳から抜けやすいため、イヤホンにも使われているシリコン製のものがおすすめです。
また、上の階がうるさくて眠れない時には睡眠用の耳栓も便利です。
ウレタン素材を使用しているので、快適な着け心地で耳が痛くなりにくい仕様になっています。
耳栓が苦手な方は、耳を覆う形のイヤーマフであれば、耳を傷める心配もありません。
さらに、耳栓とイヤーマフの2つを併用すれば防音効果も高まります。
耳栓もイヤーマフも、商品によって付け心地だけでなく防音レベルや遮音値も違うため、よく確認してから購入してください。

音楽を流して紛らわす

音楽を流すことで上の階の騒音をかき消し、気を紛らわせる方法もあります。
自分の好きな音楽を流すのも良いですが、雨の音や川のせせらぎといった自然音なら安眠効果も兼ね備えています。
ノイズキャンセリングヘッドフォンをパソコンなどとつないで使えば、音量が小さくてもクリアに聞こえます。
音を別の音でかき消すという意味では、窓を開けるだけでも、案外気にならなくなることがあります。
風の音や、車の走行音、人の話し声など、街には様々な環境音が溢れています。
窓を開けておいても支障がない場合は、街から聞こえる環境音で、上の階からの音を紛らわせないか試してみるのも1つの方法です。

防音対策をする

上記の方法で効果がない場合は、自分の部屋自体に防音対策を施すことも検討してみましょう。
例えば、上の階から聞こえてくる音を防ぐには、天井に直接吸音パネルまたは、遮音シートを貼るのが効果的です。
吸音パネルと遮音シートはそれぞれ別の機能があり、吸音パネルが室内の反響音を吸収し軽減するのに対し、遮音シートは音を遮断して跳ね返す機能もあるので、より外部からの音の浸入を防げます。
また、吸音パネルと遮音シートの両方を組み合わせれば、さらに高い効果を発揮します。
ただし、振動をともなう音の場合は、天井の防音対策だけだと不十分であり、壁も天井と同様に吸音パネルや遮音シートを貼るなどの対策が必要です。

壁と家具の間をあける

壁は面全体から音が伝わってくるため、できることなら面全体を吸音材や遮音材で覆うのがおすすめです。
その時に注意しなければならないのが、壁と家具の間に隙間を作ることです。
壁に家具をピッタリくっつけていると、壁から伝わった振動がそのまま家具にも伝わるので、せっかくの防音効果が下がってしまいます。
逆に、壁と家具の間を少し開ければ、家具に伝わる振動が少なくて済みます。
壁前面に防音対策を施すのは費用も手間もかかるため難しいという場合は、背の高い家具を壁から少し離したところに配置し、簡易的な防音壁にすればある程度の音は遮られます。

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上の階の騒音に我慢できない時の対処法

自分で防音対策を施してみてもあまり効果が感じられない、どうしても我慢できないという場合もあるでしょう。
そこで、上の階の騒音に我慢できない時のさらなる対処法をご紹介します。

ポスティングする

相手に面と向かって直接苦情を言うよりも、手紙をポストに入れて伝える方が比較的気軽に行えます。
手紙に記載すべき最低限の内容は、次のとおりです。

・自分が何者であるか(何号室の住人か)
・騒音を感じる時間帯
・騒音の種類
・自分がどのように困っているか
・相手にしてほしいこと

このうち、自分がどのように困っているかについては、あまり長々と書いてしまうとクレーマーという印象を持たれる可能性があるので、できるだけ簡潔に書きましょう。
基本的に語尾は「ですます」調で物腰の柔らかさを出すのが理想です。
相手の怒りを買い、トラブルに発展することを避けるためにも、くれぐれも乱暴な言葉は使わないようにしてください。
相手にしてほしいことは、自分の要望だけで完結するのではなく「ご検討のほどお願いします。」などとして、強制力を感じさせないことも大切です。
丁寧さや誠実な態度が伝われば、相手の警戒心を解くことができ、少しずつ改善につながっていくことが期待できます。

大家さんまたは管理会社に相談する

上の階の騒音に困ったら、大家さんまたは管理会社に相談するのが、最も無難な方法です。
自分だけで対話するよりも責任者や管理人が間に入る方が、スムーズに解決できる可能性が高いですし、相談後は報告を待つだけなので精神的負担も少なくて済みます。
ただし、相談に対する対応は大家さんや管理会社によって様々で、中にはまともに取り合ってくれないというケースもあるため、注意が必要です。

国民生活センターに相談する

大家さんや管理会社がまともに取り合ってくれなかったり、再三注意はしてくれたけれども解決に至らなかったりする場合は、次の手段として国民生活センターに相談してみましょう。
特に国民生活センターのADR(裁判外紛争解決手続)は、当事者間での解決が困難なトラブルがある場合、裁判までいかずとも第三者に間に入って解決の手助けをしてほしい時に利用する機関です。
ADRを利用するには、当事者がADRの窓口で申し立て、手続きを行う必要があります。
手続きも難しいものではなく、弁護士や元裁判官が間に立つためスピーディな解決が望めて、なおかつ裁判よりもコストを抑えられます。

弁護士に相談する

騒音問題がこじれて他に解決法が見あたらない場合や、騒音のストレスから不調をきたすなどして損害賠償を請求する裁判を起こしたい場合には、弁護士に相談する方法があります。
しかし、どの程度の騒音問題なら法的に対処すべきという、具多的な線引きがないため、訴訟しても必ず勝ち目があるとは言えません。
生活音は誰もが発生させるもので、騒音と感じる基準は人によって異なるため、許容範囲内であると判断される可能性があるからです。
また、弁護士によっても得意な分野が異なるため、騒音問題の実績がある弁護士を選ぶことが重要となります。

警察に相談する

上の階からの騒音に耐えきれない場合は、警察に相談するのも1つの手段です。
事故や事件のように重大性がないため通報をためらう方も多いですが、度を越えた騒音を発することは不法行為とみなされることもあります。
騒音の通報を受けた警察は、現場に向かって騒音源となっている人に注意をしてくれます。
刑事事件に発展していなければ、音を止めさせる強制力はありませんが、警察が来たという事実は、抑止力として高い効果を発揮します。
緊急性がない相談の場合は、警視庁の相談ホットライン「#9110」を活用するのもおすすめです。