投資信託のリスクはどれくらいある?リスクの種類や商品を選ぶ際のポイントも解説

投資信託を選ぶ際は、リスクの程度がどれくらいであるのかを把握することが重要です。ただし商品によってリスクの種類や程度が異なるため、よく確認したうえで商品を選ぶ必要があります。本記事では、投資信託のリスクの種類や商品の選び方などを解説します。

投資信託でリスクを抑える方法

投資信託には元本保証がないため、運用の際は元本割れのリスクをともないます。しかし、以下の方法を用いることで、運用時のリスクを軽減することは可能です。

・分散投資:投資する資産や国・地域、時間を分散して投資をする手法
・長期投資:長期にわたって商品を保有し続ける投資方法のこと
・積立投資:毎月や毎日などのタイミングで商品を買い続けること

投資対象の資産や地域が異なる投資信託に分散投資をすると、1つの商品の価格が下落しても、ほかの商品の価格が維持・上昇していれば保有資産全体の減少を防ぐことができます。
分散投資をする際は「国内株式と国内債券」「国内株式と先進国株式」のように、複数の投資対象の値動きが異なる投資信託を選ぶと効果的です。

長期投資は、短期的に商品の売買を繰り返す短期投資と比較して、収益の振れ幅が小さくなる傾向にあるため、安定的な収益が期待できます。また、得られた分配金を元本に組み入れて再投資することで「複利効果」が働き、資産が増えていきやすくもなります。

積立投資により、毎月や毎日などの決まったタイミングを設定して、一定金額の投資信託を購入するのも有効です。一定金額を積み立てると、安い時は多く、高い時は少なく購入するため、平均購入単価が低く抑えられて、リスクを軽減する効果が期待できます。

また、投資信託は1,000円や1万円といった少ない金額から始められるため、まとまった資金は不要です。
投資金額が少ないと、損失が発生しても小規模で済むというメリットがあります。
投資の経験があまりない投資初心者の方は、無理のない金額で長期・分散・積立を意識した投資を始めてはいかがでしょうか。

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ほかの投資商品のリスクはどのくらい?

金融商品には、投資信託のほかにも株式や債券などの種類があります。ここでは、投資信託よりもリスクが高い投資とリスクが低い投資の例をみていきましょう。

投資信託よりリスクの高い投資

投資信託よりもリスクが高い傾向にある投資には「株式投資」があります。株式は、企業が投資家から資金を調達する時に発行する有価証券のことです。

株式を保有している人は株主となり、企業の重要な決議に投票できる権利や、業績の一部を配当金として還元してもらえる権利などを得ます。
また「企業が成長した」「景気が好調である」などの理由で、株価が上昇した時に株式を売却して利益を得ることも可能です。
国内企業のなかには、株主に対して自社製品の詰め合わせや割引券、優待券などの株主優待を提供していることもあります。

一方で、株式を発行する企業の業績悪化や不祥事などで株価が急落すると、投資元本を大きく下回るかもしれません。企業が倒産すると、株価が0円になって投資元本が戻ってこないこともあるため、株式投資はハイリスク・ハイリターンといわれています。

投資信託よりもリスクの高い投資には、ほかにも、日本円やドル、ユーロなど異なる組み合わせの通貨を取り引きする「FX」や、将来の売買をあらかじめ約束して取り引きをする「先物取引」などがあります。

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投資信託よりリスクの低い投資

投資信託よりもリスクが低い傾向にある投資は「債券投資」が代表的です。債券とは、国や企業、地方自治体などが、投資家からお金を借りる際に発行する有価証券のことです。

債券の個別銘柄に投資をすると、発行体から定期的な利息を受け取れるだけでなく、満期を迎えると額面金額(債券の券面に記載された金額)が返還されます。
債券の発行体が破綻しない限り、利子の支払いと額面金額の返還が保証されるため、債券投資はローリスク・ローリターンといわれています。経済的にゆたかな国の国債や、業績が安定した企業の社債に投資をすると、リスクを抑えて堅実なリターンが期待できるでしょう。

そのため債券投資は、投資対象に株式や破綻リスクの高い債券が含まれる投資信託と比較して、リスクは低い傾向にあります。

なお、厳密にいえば投資ではありませんが、預貯金や保険料を日本円で支払う貯蓄型の生命保険も、投資信託よりリスクが低い運用方法といえます。