分譲賃貸物件で考えられるトラブル

比較的トラブルが少ないと思われる分譲賃貸ですが、集合住宅なのでトラブルが発生しないわけではありません。
分譲賃貸物件で起こりうるトラブルは以下のようなものが挙げられます。

ペットの飼育に関するトラブル

分譲マンションの住民や所有者がペットを飼っているからといって、ペットの飼育が許可されている物件だとは限りません。
マンションの住民が無断でペットを飼っていても、実際はペットの飼育が禁止されている場合もあるからです。
分譲マンションを借りるにあたっては、所有者の許可や意向を重視しますが、管理規約の確認も必要です。
所有者からペット飼育の許可があったとしても、管理規約でペットの飼育が禁止されていれば規約違反になります。
仲介業者を通して管理規約を確認するようにしましょう。

騒音に関するトラブル

一般の賃貸物件と比較して、分譲マンションは防音性に優れています。
しかし、騒音トラブルがないわけではありません。
マンションである以上、隣接する部屋からの生活音が気になるケースもあるでしょう。
深夜の掃除機や洗濯機の音、子どもの鳴き声や飛んだり走り回ったりする際の騒音など生活音にまつわるトラブルは多いです。
騒音の感じ方には個人差があるので入居前に階下や部屋周辺で騒音トラブルは発生していないかを確認しておきましょう。

ゴミ出しに関するトラブル

マンションには様々な人が住んでいるので、世帯数が多い物件ほどゴミ出しに関するトラブルも発生しやすくなります。
ゴミ処理が甘く、生ごみが袋から出て悪臭を放っていたり、本来の回収日とは異なるゴミを出したまま放置していたり、いずれ誰かが処分してくれるとルールを無視してゴミを置いていく人もいるでしょう。
頻繁にゴミ出しのルールが無視され、ゴミが散乱しているのは、気持ちの良いものではありません。
世帯数が多いマンションほど誰が出したかを特定しにくいのでストレスを感じてしまう場合もあるでしょう。

入居者間のトラブル

入居者間のトラブルは、分譲マンションに限らず注意しておきたい部分です。
分譲賃貸の場合は隣人が引っ越す可能性が低いので、長い付き合いになるのと考慮しておきましょう。
隣人がベランダで喫煙する習慣があれば、臭いや煙が窓から入ってきます。
干している洗濯物に臭いが付着してしまうかもしれません。
また、ゴミや荷物をベランダに置いている入居者であれば、悪臭が漂い、害虫やゴミが入ってくる可能性もあります。
悪臭に限らず、強い洗濯洗剤や柔軟剤の香りがトラブルになるケースもあります。
受け取り方には個人差がありますが、一度気になると生活する上でストレスになるので、チェックしておきたいポイントです。

大規模修繕工事に関するトラブル

一般的に分譲マンションでは、約12~15年周期で大規模な修繕工事が実施されます。
入居後すぐに工事が始まった場合、生活に支障が出るのでストレスを感じるでしょう。
修繕工事をする際は、マンション全体をネットで覆い、ベランダ外には足場が組まれます。
普通に生活している中で工事が行われるので、外の様子が気になる場合は窓とカーテンをしめて対応することになるでしょう。
また、工事の妨げになるため、ベランダに置かれた物は移動し、片づけなければなりません。
その他、工事期間中は騒音や振動、塗装時の臭いなど入居者への負担が多いです。
喘息を患っている、振動・騒音に強いストレスを感じる方は、事前に大規模修繕工事の予定を確認しておくと良いでしょう。

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後悔しないために!分譲賃貸物件選びのポイント

入居後に後悔しないために、失敗しない物件選びのポイントを押さえておきましょう。

契約形態はしっかりと確認しておく

分譲賃貸物件には、「普通借家契約」「定期借家契約」と2つの契約形態が存在します。
定期借家契約は契約期間が定まっており、契約期間終了後の更新はできず、退去する必要があります。
長い期間住み続ける予定であれば、契約の更新ができる普通借家契約なのか、契約更新の有無を含めて確認しておく必要があるでしょう。

管理について確認する

契約する分譲賃貸に管理会社が介在しているか確認しましょう。
所有者と借主の間に管理会社が入っていた方が入居後のトラブル対応がスムーズだからです。
入居後に設備の故障やトラブルが発生する可能性もあります。
もし、所有者(大家さん)と直接契約している場合、大家さんが賃貸物件の取り扱いに慣れていないケースが多いため、対応が遅れる場合があるでしょう。

マンション規約・オーナー規約の両方を確認する

分譲賃貸の場合、マンション規約とオーナー規約、計2つの規約を確認する必要があります。
一般的な賃貸物件では、マンション規約のみ確認すればいいのですが、分譲の場合は、それに加えて所有者からの規約も守らなければなりません。
2つの規約内容には違いがあることも多いため注意が必要でしょう。
例えば、ペットの飼育が可能なマンションであっても、所有者が認めていなければペットを飼うことはできません。
その反対に、所有者からペットの飼育を許可されたとしても、マンション規約でペットの飼育が禁止されていれば、規約違反に該当してしまいます。

原状回復の範囲を確認する

賃貸契約終了後には、借主は原状回復(部屋を借りた際の状態に戻して返還する)必要があります。
分譲賃貸物件の所有者(大家さん)は、賃貸経営に慣れているわけではないので、不動産知識に乏しい方も多いです。
原状回復の認識違いで、本来なら負担しなくてもいい部分まで原状回復を求められてしまうケースもあるので注意しましょう。
退去後のトラブルを避けるためには、原状回復の負担範囲について細かく確認しておく必要があります。
貸主が特約などを設けている場合もあるので、賃貸契約書から特約事項も確認しておきましょう。

賃貸物件と同様の選び方も大切!

分譲マンションであっても、必ずしも恵まれた物件とは限りません。
賃貸物件と同様の選び方をするとより満足のいく物件選びができます。
以下のポイントを押さえ物件選びをしましょう。

エリア

最寄り駅はどこになるのか、何線が停まるのか、急行、快速などの発着など確認しておいてください。
毎日の通勤や通学で駅を利用するのであれば、重要なポイントになってきます。
また、最寄り駅からの距離も近い方が利便性は高くなります。
最寄り駅の利用客が多ければ、電車の本数や行き先も豊富な場合が多いので、電車で出かける際に便利です。

周辺の環境

治安の良し悪しだけでなく、周辺の環境に何があるのかも確認しておきましょう。
生活に必要不可欠な施設が徒歩圏内にあれば、便利で安心して生活できます。
小学校、スーパー、病院、銀行、公園などが揃う場所であれば問題ありません。
昼と夜とでは、雰囲気の変わるエリアも存在します。
子どもがいるファミリー世帯は特に、人通りや交通量、治安を意識したエリアで探すと良いでしょう。
ファミリー世帯を多く見かける物件であれば、家族で住みやすいとも読み取れるので、判断基準にもなります。

間取りや設備

住みやすい物件であるかどうかは、間取りでも変わってきます。
小さな子どもがいる場合には、家族で快適に過ごせる空間が確保できるかも重要です。
また、収納スペースがどれくらい設置されているかも大切なポイントになってきます。
今現在ある荷物だけでなく、子どもの成長につれてさらに収納スペースが必要になるからです。
荷物が増えたからといって、新しく家具を購入すると居住スペースの圧迫につながってしまうでしょう。

家賃

分譲賃貸の家賃は賃貸に比べて割高である可能性が高いです。
気に入った物件だからと言って、予算を超えた物件を契約するのは家計を圧迫するのでおすすめできません。
一般的に、家賃は手取り収入の3割が目安とされています。
家賃以外にも、場合によって町内会費や駐車場代、管理費といった諸費用が必要になります。
毎月いくらかかるのかを確認し、無理のない範囲で物件探しをしましょう。

セキュリティ体制

契約する物件のセキュリティ体制も確認しておきたいポイントの1つです。
オートロックなのか、管理人はいるのか、出入り口に監視カメラは設置されているのかなど、事前にチェックしておくと良いでしょう。
複製しにくいカギかどうかも確認しておくと安心です。
モニター付きインターフォンが設置されていれば、インターフォン越しに相手を確認できるのでより安全です。