現金以外の金融資産は「緊急時」に現金化できる?

預貯金以外の金融資産はどうでしょうか?

株式や投資信託

売却指示を出すと、通常は1週間程度で現金として引き出せます。ただし売却指示を電話やネットで行う場合、通信環境に左右される恐れもあります。

iDeCo

緊急時でも60歳以前であれば払い出しはできません。60歳になる前に「加入者が死亡した」「障害年金を受け取ることになった」「条件が厳しい脱退一時金を受け取る」など3つの例外的なケースがありますが、それ以外では引き出しはできません。

生命保険の解約返戻金

終身保険や養老保険など、解約すると解約返戻金が戻ってくる生命保険があります。生命保険会社のコールセンターに依頼すると1週間程度で振り込まれます。なお解約返戻金を受け取ると一般的には保険契約が終了します。また早期で解約すると、大部分のケースで解約返戻金が支払い済みの保険料を下回ります。そのため、解約返戻金の範囲内でお金の貸し付けを受ける「契約者貸付」という制度の利用も検討してみてください。

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罹災で通帳や身分証明書を紛失してしまったら?


通帳と印鑑
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地震や豪雨、土砂災害などで金融機関の印鑑・通帳や本人確認資料をなくしてしまうこともあるかもしれません。そうなった場合、各機関とも柔軟な対応が取られています。

金融機関の印鑑・通帳を紛失してしまった場合

印鑑や通帳をなくしても、身分証明書があれば銀行の預貯金は引き出せます。豪雨や地震などの災害が発生した際に、日本銀行が被災地域の金融機関に対して「災害時における金融上の特別措置」を要請し、キャッシュカードや通帳、印鑑などを紛失した場合でも、預金者本人であることが確認できれば一定の範囲で預金を引き出すことが可能になります。

本人確認資料を紛失した場合

一般的に本人確認資料として取り扱われるのは、運転免許証、マイナンバーカードの2点が多いと思います。運転免許証やマイナンバーカードを紛失した場合、まずは警察に紛失届を出しましょう。紛失届を提出すると受理番号が付与されますので、受理番号を元に再発行の手続きを行います。免許証は運転免許試験場で、マイナンバーカードは自治体で再発行の手続きを行います。