多彩なイタリア料理店を手掛ける奥野義幸氏自らが腕を振るい、ブリアンツァの“深み”を表現|麻布台ヒルズ【DepTH Brianza】

順次魅力的なレストランやショップが開業して話題を集める麻布台ヒルズですが、賑やかな商業エリアから少し離れたレジデンス棟の1階に誕生したのがこちら。食通たちが注目する【DepTH Brianza】です。

  • 邸宅に招かれたような空間でゲストに寄り添ったもてなしを
  • 生産者の想いを料理にのせて届けるメニューの数々
  • “みんなが主役”という想いで日々料理と人に向き合う

邸宅に招かれたような空間でゲストに寄り添ったもてなしを

麻布台ヒルズのレジデンス棟の1階に構える【DepTH Brianza】のエントランス

神谷町の駅から直結した地下通路で向かうと、話題のショップや飲食店が随所に点在しています。その賑わいを抜けたレジデンス棟は、一転して落ち着いた雰囲気。ぽつりと1軒、温かな灯りを放つレストランが【DepTH Brianza】です。扉の外からも印象的な鯉の滝登りをイメージしたアートが目に飛び込んできます。

テーブルごとに飾られた花にももてなしの心を感じることができます

エレガントなトーンで統一された店内は、テーブルが均等に並ぶ全12席。ソファも椅子も座り心地が非常によく、特別な食事が始まる期待が高まります。「誰かの家に招かれたような空間をイメージしました。カウンター席ではなくテーブル席にすることで、料理人ではなくサービスのプロである接客スタッフがお客様に対応します。それは、料理人が料理に集中できる環境でもあります」。個室はありませんが、ゲストのプライベートな時間を大切に考えられた空間です。8名から貸し切りが可能で、料理など細やかなオーダーにも応じてくれるのもうれしいポイント。

店内の壁に飾られた水墨画家の立川瑛一朗氏による作品

イタリアから取り寄せる馥郁たる香りを放つトリュフ


店内の壁に飾られているのは、水墨画家の立川瑛一朗氏による作品です。和のテイストなのでわかりづらいかもしれませんが、実はトリュフを描いたもの。奥野氏のスペシャリテ『トリュフのグラタン ピエモンテ風』にも欠かせない食材です。店内のアートや料理を盛る器は「一緒に成長していきたい」という想いから若手の作家の作品を積極的に選んでいます。

ちなみに厨房には、玉村豊男氏による花ズッキーニの絵画が飾られています。こちらは、奥野氏が若い頃、初めて自分で背伸びして購入したという思い出の品。初心を忘れないようにという意味を込めているといいます。

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生産者の想いを料理にのせて届けるメニューの数々

コースの最初に登場する名刺代わりのような『棒鱈、牡蠣』

コースの最初に登場するのは『棒鱈、牡蠣』。棒鱈は、2年熟成のメークインを合わせた熱々のクロケッタで提供。衣に生青海苔をまぶして揚げることで、磯の香りが食欲を掻き立ててくれます。牡蠣は、広島県の老舗であるかなわ水産から取り寄せるもの。ディルオイルが爽やかに香る冷たい1品。牡蠣について尋ねると、その食材としての魅力だけでなく、生産者とのエピソードまで飛び出してくるのも奥野氏らしい“ごちそう”です。

組み合わせの妙に驚かされる『鯨、マジャクリ』

鯨は、尾の身という背ビレから尾までの背中の部分で、脂が霜降り状になった部位を使用しています。なかなか手に入らいない希少な部位で、その味わいに“鯨の大トロ”と呼ばれるほど。上にたっぷりと削ったチーズは、岡山県の吉田牧場で製造される1年以上熟成したハードタイプのマジャクリ。コンテに似た製法でつくられ、凝縮した旨みが特徴です。口へ運ぶと、飯尾醸造の富士酢プレミアムが香り立ち、寿司を思わせる味わいと余韻が続きます。日頃からスペシャリテは食べ手が決めるものだと考える奥野氏ですが、スタッフの間では、こちらが【DepTH Brianza】の新たなスペシャリテだという声も聞こえているとか。

愛農ナチュラルポークやフォアグラを濃厚なソースで味わう『フォアグラとトリュフの協奏』

有名シェフからの信頼が厚い滋賀県の精肉店【サカエヤ】から仕入れる愛農ナチュラルポークや、フォアグラを使ったメニューです。卵とチーズをたっぷりと使ったフォンドゥータソースをまとわせ、トリュフと共に口へ運べば、贅沢な気持ちに包まれます。【la Brianza】のスペシャリテの『トリュフのグラタン ピエモンテ風』を彷彿させる逸品。肉厚の椎茸からも素材の良さがダイレクトに伝わってきます。

店の定休日は生産者を訪れることが多いといいます。その際、奥野氏は積極的にスタッフも連れて行くそうです。そうすることで、実際にレストランでその食材を扱う際の向き合い方が変わり、より丁寧になると話します。

イタリアのワインを中心にシャンパンや和酒など幅広くセレクト

料理を引き立て合うドリンクのリストも秀逸です。ワインはイタリアを主軸に揃え、ビール、日本酒、カクテルなど、豊富なメニューから選ぶことができます。ビールは、奥野氏の出身地でもある和歌山県の平和酒造が手掛けるホワイトエールやペールエールなど数種を。日本酒は、『新政』『七本鎗』『而今』といった国内外で人気の高い銘柄をラインナップ。また、料理に合わせて8杯が提供されるペアリングも非常に好評を得ています。