エアコンクリーニングを行うと、普段は掃除できないエアコン内部まで綺麗になり、不快なニオイもなくなるため、快適に使用できるようになります。
しかし、賃貸物件の場合は「自分で勝手にエアコンクリーニングを行っても良いものか」「費用は自分で負担しなければならないのか」といったことで悩む方もいるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件でエアコンクリーニングをする際の注意点や費用相場、自分でエアコンクリーニングを行う方法、業者に依頼する際のポイントなどを詳しく解説していきます。
賃貸物件のエアコンクリーニングを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

エアコンクリーニングが必要な理由

自分で定期的にエアコン掃除を行っている人の中には、エアコンクリーニングまで必要ないと考える方もいるでしょう。
しかし、エアコンクリーニングとは、普段自分で行うエアコン掃除とは異なる特別な掃除方法です。
まずは、エアコンクリーニングとは何か、なぜエアコンクリーニングが必要なのかをご紹介します。

エアコンクリーニングとは?

普段、自分で行うエアコン掃除は、フィルターを取り外して洗ったり、目に見える部分を水拭きしたりすることが一般的です。
一方、エアコンクリーニングはフィルターや本体の見える部分だけでなく、内部の部品までまるごと洗浄します。
エアコンクリーニングをするには、エアコンの分解や高圧洗浄などが必要であり、素人が行うのは難しいためプロの業者に依頼する方が多いです。

エアコンクリーニングをしないとどうなる?

自分でこまめに掃除しているからといってエアコンクリーニングをしないでいると、次のような影響が出てくる恐れがあります。

・エアコンの効きが悪くなる
エアコンは、室内から吸い込んだ空気を内部で調整することで、冷風や温風を吹き出しています。
しかし、エアコンのフィルターがホコリで目詰まりすると、空気を吸い込む力と吹き出す力の両方が弱まってしまい、設定温度に近づけるまで時間がかかるようになります。
また、フィルターだけでなくエアコン内部の熱交換器にもホコリが溜まると、空気の調整機能が低下し、エアコンをつけていてもほとんど効き目がないという状態に陥ってしまいます。

・不快なニオイがするようになる
エアコン内部にホコリやカビが溜まると、稼働時に不快なニオイがするようになります。
こまめにフィルター掃除を行っていても、フィルターの奥にある熱交換器や送風ファンにまでホコリが入り込んでカビが増殖していることがあります。
普段の掃除ではフィルターの奥まで手が届かないため、エアコンから嫌なニオイがする時は、エアコンクリーニングでニオイの元を断ち切る必要があります。

・アレルギー症状が出る
エアコン内部を掃除しないでいるとホコリだけでなく、カビやダニが繁殖することもあります。
エアコンの稼働時に、風と共にカビの胞子やダニの死骸なども拡散され、それらを吸い込むことで咳やくしゃみといったアレルギー症状を引き起こすリスクが高まります。
特に免疫力の低い乳児や高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では、家族の健康を守るためにもエアコンクリーニングは必要です。

・エアコンの寿命が短くなる
エアコン内部が汚れたまま使い続けていると、故障や水漏れなどの原因になることも懸念されます。
家電製品の中でも特にエアコンはデリケートなものであるため、寿命をできるだけ伸ばすにはこまめなメンテナンスが必須です。
エアコンの修理や買い替えを短期で繰り返すよりも、クリーニング代を支払って目安とされる寿命まで使用する方がお得です。

エアコンクリーニングの効果

エアコンクリーニングをすると、カビや雑菌、嫌なニオイが除去できてエアコンの効きも良くなる上、電気代を節約する効果も得られます。
以下で、それぞれの効果を詳しく解説していきます。

・カビや雑菌、ニオイを除去できる
専用の洗剤や掃除道具を使ってエアコンクリーニングをすることで、汚れに加えてカビや雑菌も除去できます。
カビや雑菌が除去されれば、当然それらが原因で発生していた不快なニオイも軽減します。
ホコリやカビといったアレルゲン物質が取り除かれることにもなるので、エアコンクリーニングはアレルギー対策としても有効といえます。

・エアコンの効きが良くなる
エアコンクリーニングを行い、フィルターや送風ファンの目詰まりをなくすことで、空気を吸い込む力と吹き出す力が元に戻り、風量が改善します。
また、エアコン内部の熱交換器に溜まったホコリを取り除けば、吸い込んだ空気を調整する機能も回復し、より効率良く設定温度に近づけられるようになります。

・電気代の節約になる
エアコンクリーニングを行って、エアコンの運転効率が上がれば、電気代の節約にもなります。
環境省が公表している節電アクションの資料では、冷房よりも電力消費量の多い暖房を使う冬場で比較した場合、フィルター掃除が行き届いているエアコンは、フィルターが目詰まりしているエアコンに比べて、消費電力を約6%軽減できるとされています。
これを年間の電気代に換算すると、5,000円以上の差が生じる可能性もあります。

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賃貸備え付けのエアコンは勝手にクリーニングしても良い?

エアコンクリーニングの必要性がわかっても、賃貸物件に備え付けのエアコンの場合だと自分で勝手にクリーニングしても良いものか判断に迷うものです。
そこで続いては、賃貸に備え付けのエアコンを勝手にクリーニングしても良いのか、解説します。

日常的な掃除は自分で行うのが基本

賃貸物件に備え付けられている家具・家電は、基本的に自分で掃除や手入れをして状態を保つこととされています。
そのため、エアコンフィルターの洗浄など、日常的な掃除の範囲であれば許可を取る必要はありません。
むしろ掃除を怠ったことが原因でエアコンが故障すれば、修理費用を負担することになる可能性が高いです。

エアコンクリーニングは大家さんの許可が必要

日常的な掃除は自分で行いますが、備え付けの家具・家電の所有者は大家さんであるため、点検や管理、メンテナンスは大家さんまたは管理会社の義務となります。
自分で勝手に業者に依頼してエアコンクリーニングを行ってしまうと、大家さんや管理会社に負担してもらえるはずだったクリーニング代を、自分で負担しなければいけなくなることがあるので注意してください。
また、許可を得ないままエアコンクリーニングをして、万が一エアコンが壊れた時には、損害賠償請求などのトラブルにつながることも心配されます。
賃貸物件でエアコンクリーニングを行う際は、事前に大家さんに確認することが大切です。

自分で取り付けたエアコンの場合

入居者が自分で賃貸物件に取り付けたエアコンをクリーニングする際も、大家さんへの連絡が必要です。
この場合、エアコンの所有者は入居者になりますが、部屋の所有権は大家さんです。
エアコンクリーニングでは高圧洗浄機などを使うため、水が床にこぼれたり、壁が破損したりするなどのリスクが存在します。
備え付けのエアコンでも自分が取り付けたエアコンでも、勝手にエアコンクリーニングをして部屋を汚したり壊したりすれば、トラブルになる可能性が高いです。
エアコンの所有者が誰かにかかわらず、エアコンクリーニングをする前は必ず大家さんの許可を得ましょう。