賃貸のエアコンクリーニング費用は誰の負担になる?

賃貸物件のエアコンクリーニング費用を誰が負担するかについては、賃貸借契約書の内容や責任範囲、入居のタイミングなどによって異なります。
ここでは、大家さんまたは管理会社が負担するケースと、入居者が負担するケースを詳しく見ていきます。

大家さんや管理会社が負担するケース

以下のケースに当てはまる場合、エアコンクリーニングの費用は大家さんか管理会社の負担となります。

・賃貸借契約書に大家または管理会社が負担すると記載されている場合
エアコンクリーニングの費用を誰が負担するのか疑問に思ったら、まずは賃貸借契約書の内容を確認しましょう。
例えば、「入居中に備え付けの家具・家電の修理やクリーニングが必要になった場合、その費用は大家(管理会社)が負担する」と記載されていれば、エアコンクリーニングの費用を入居者が負担する必要はありません。
後で備品の修理費やクリーニングで迷わないためにも、契約時に賃貸借契約書の内容をよく確認してから、契約のサインをすることも大切です。

・入居者して間もないのに異臭がする場合
「入居して間もないのにエアコンからカビやホコリのニオイがする」というように、入居前のクリーニングが不十分なことが明らかな時は、大家さんや管理会社の負担となります。
ただし、入居から半年以上経っていると入居者の負担になることもあります。
春や秋などエアコンが不要な時期に入居した場合は、エアコンを稼働するまで異臭に気付けないため、入居後はすぐにエアコンを稼働させて、異臭や異音などがないかチェックしておきましょう。

・しっかり掃除しているのに異臭がする場合
自分でできる範囲の掃除は行っていたにもかかわらず、異臭などの異常を感じる場合は、大家さんや管理会社の負担になります。
備え付けの家具や家電を適切な範囲内で使用している中での修理・修繕は、大家さんの責任です。

・退去時にエアコンクリーニングをする場合
退去時のエアコンクリーニングは、基本的に大家さんや管理会社が負担するため、通常入居者への負担はありません。
ただし、入居中にフィルター掃除などを怠っていたり、喫煙による汚れがあったりすると、退去時でもエアコンクリーニングの費用が請求されることがあります。
また、賃貸借契約書に「退去時のハウスクリーニング費用は入居者が負担する」と記載されている場合も、入居者の負担となります。

入居者が負担するケース

エアコンクリーニングの費用を入居者が負担しなければならないケースは、以下のとおりです。

・日常的な掃除を怠っていた場合
入居者が自分でできる範囲の掃除を怠っていたことによって、エアコンクリーニングが必要になった場合は、入居者が費用を負担しなければなりません。
エアコンのフィルター掃除の頻度は、2週間に1回が目安とされています。
本来なら大家さんや管理会社に負担してもらえるはずのクリーニング費用を自分で負担することにならないためにも、日頃からできる範囲のエアコン掃除はしておくようにしましょう。

・自分で取り付けたエアコンや異常はないが汚れが気になる場合
入居した際に設置されていたエアコンとは別に、自分でエアコンを取り付けた場合、そのエアコンのクリーニング費用は自己負担となります。
また、自分で日常的なエアコン掃除をしていて異臭などの異常はないものの、内部の汚れが気になるためエアコンクリーニングをしたい場合も自己負担となります。
自分でクリーニング費用を支払う場合でも、エアコンクリーニングを希望する場合は、大家さんにその旨をしっかり伝えてください。

プロに依頼した場合の料金相場

プロの業者にエアコンクリーニングを依頼した場合の費用は、エアコンの機種や汚れ具合によっても異なりますが、ここでは一般的な費用の相場をご紹介します。
まず、エアコン本体のクリーニング費用は、壁掛けタイプの場合で8,000~1万円程度、お掃除機能付きエアコンの場合は15,000~2万円程度、天井埋込タイプでは18,000~3万円程度が相場です。
また、オプションとして室外機洗浄をつけた場合は3,000~5,000円程度、消臭抗菌コートをつけた場合は1,500~3,000円程度が、本体のクリーニング費用に追加されます。
お掃除機能付きのエアコンや天井埋込タイプのエアコンは、壁掛けタイプよりも料金が高めです。
エアコンクリーニングを行う際は、複数台同時に依頼すると、1台ずつ依頼するよりもお得になることがあります。

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賃貸のエアコンクリーニングを行う適切なタイミングと頻度

エアコンクリーニングには、適切なタイミングと頻度があります。
依頼するタイミングによっては、予約が取りやすかったり、費用がお得になったりすることもあるため、ぜひチェックしておいてください。

エアコンクリーニングにおすすめの時期は春と秋

エアコンクリーニングは、エアコンが活躍し始める前の春か秋に行っておくと、稼働した時に内部の汚れや嫌なニオイが室内に飛散することを防げます。
また、エアコンクリーニングを依頼する際は、繁忙期と閑散期を把握しておくことも大切です。
エアコンクリーニングの繁忙期は、5月中旬から9月上旬、11月中旬から12月下旬で、この時期は予約が取りにくくなっています。
スムーズに予約したいのであれば、3月後半から4月、9月後半から11月前半の閑散期がおすすめです。
この時期は、希望の日時に予約を取りやすい上に、割引サービスなどを行っている業者も多いです。
業者にも時間的な余裕があるため、費用の相談にも対応してもらいやすいでしょう。

リビングのエアコンは2年に1回が目安

エアコンクリーニングの頻度は、使用状況によっても異なりますが、リビングやダイニングのエアコンであれば2年に1回のクリーニングで十分です。
ただし、キッチンの近くのエアコン、ペットや赤ちゃんがいる家庭、喫煙をしている方、夏場に冷房や除湿を1日8時間以上つけている方などは、1年に1回の頻度でクリーニングをすると良いでしょう。
また、この目安に関係なく、風向きルーバーや吹き出し口に、黒いカビ汚れが転々としているのが見えた時は、エアコン内部でカビが繁殖している可能性があるため、早めにエアコンクリーニングを行うことをおすすめします。