横浜赤レンガパークのすぐ隣にある、海上保安資料館横浜館。同館を訪れた人のSNS投稿を巡り、怪奇現象が疑われる事態が話題となっている。
19日、とあるXユーザーが同館の写真とともに「説明の人口悪すぎ」「前はこんなんじゃなかった」と投稿。これに対し「自分が行ったときは丁寧な人だった」「海保OBを名乗る人に解説してもらった」という反応があった一方、「同館に展示物の解説をしてくれる人はいないのでは」という “そもそも”な疑問の声もあがり、注目を集めていた。
『そこに存在しないはずの人がいたかもしれない』という不思議な状況を前に、Xでは「勝手に解説おじさん」の存在を指摘する声や、“妖怪”がいたのではと怪奇現象を疑う人も現れた。
ン年振りに来たけど、説明の人口悪すぎやろ…前はこんなんじゃなかったのに。
中学生が「口悪っ」って後ろ通り過ぎていったけど、ワイが聞いててもちょっと無いわって思ったぞ…
あと俺に対して開口一番「日本語わかるか?」って、マジギレしそうだったぞい。海保さん、さすがにマズイよ… pic.twitter.com/HJtVFSmKK6
— 行方不明 (@Missing_rider) March 19, 2024
海保広報に疑問をぶつけてみると…
海上保安庁(海保)の広報担当者に取材したところ、横浜館では海保の職員が、事務作業の合間などの空き時間で解説を行うことがあり、ツアーなどで依頼を受けた際にも解説することがあるとの回答を得た。
ほかにも、同館では海上保安協会の職員が物販を担当しており、同様に空き時間で解説するケースがあるとのことだった。
また、投稿にあったような「口の悪い解説の人」についてのクレーム・苦情等も海保には寄せられていないという。
では、話題になった投稿の裏では何が起こっていたのだろうか。
解説を行った人物が誰だったのかは不明のままだが、今回取材に対応してくれた海保担当者の対応は実に丁寧で、投稿にあるような態度の悪さは感じられなかった。たまたま対応が悪かったのか、何らかのコミュニケーションのエラーがあったのか…。ひょっとすると、海保がまだ認知していない“妖怪”がいるのかもしれない。
水深90mから引き上げた工作船が見どころ、見学料は無料
海上保安資料館横浜館は無料で見学することができ、2001年に発生した「九州南西海域工作船事件」で海上保安庁の巡視船を攻撃した北朝鮮の工作船や、回収された武器などが展示されている。
この工作船は海保巡視船との銃撃戦の末、自爆用の爆発物によるものと思われる爆発を起こして沈没。事件の捜査のために水深90メートルの海底から引き上げられたもので、前出の担当者も同館の見どころとしてあげている。
他に、海上保安庁の業務などについても紹介されているほか、スマートフォンを利用した多言語音声サービスも提供されており、これを使えば同館を訪れても“妖怪”に惑わされずに済むのではないだろうか。
海上保安資料館横浜館
【所在地】横浜海上防災基地(神奈川県横浜市中区新港1-2-1 赤レンガパーク隣)
【公開時間】午前10時から午後5時まで(閉館30分前に受付終了)
【休館日】毎週月曜日(休日の場合は翌平日)年末年始(12月29日から1月3日まで)※臨時閉館する場合もあり
【見学料】無料