無駄な経験なんて何ひとつない!

──オペ看を志望して後悔したことはありませんでしたか?

いえ、ありません。とても大変な仕事でしたが、私は病棟よりもオペ室勤務が合っていたと思います。

病棟はひとりで複数の患者さんを担当するので、自分で計画を立てて効率的に動きます。手術室はひとりの患者さんに対して複数のメンバーで向き合うんです。「みんなで患者さんを救うぞ!」みたいなチームプレーのほうが達成感があって好きでしたね。

毎日が刺激的でしたし、尊敬できる人たちに手厚く指導していただいたので、オペ看を志望して本当に良かったと思います。おかげで人間的に成長できたんじゃないかなって。

──オペ室配属を希望していなかったら漫画家としての活動もまた違った形になっていたかもしれませんね。

本当にそう、何も無駄なことはありませんでした。「若いときの苦労は買ってでもしろ」といいますが、そのとおりだと思います。先人たちの言葉は聞いたほうがいいですね。

──新しく入職した看護師のみなさんが、いま必死に学んでいるころだと思います。まおさんなりのアドバイスがあれば伺いたいです。

そうだな……とにかく自己肯定感を下げないことが大切だと思います。失敗して自信を失い、働けなくなるくらいなら、そこから逃げるのも一つの手です。環境を変えたらバリバリ働けるかもしれません。

漫画も同じで、気持ちが落ちると怖くてブログに公開できなくなるんです。

──気持ちが落ちたとき、まおさんはどのようにしていますか?

ほかの漫画家さんなどのインタビュー記事を読んでいます。いま売れている人たちも、デビュー当時はやはり苦労されているんです。

何度もネームをボツにされたり、何年も何年もアルバイトで食いつないでいたり。編集さんが突然いなくなって、せっかく描いた100ページのネームが無駄になってしまったなんて人もいるんですよ。そういう困難を乗り越えた人たちの記事を読むと、自分も頑張ろうと思えます。

人間まお関連リンク

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