メリットかつデメリットの「60歳まで取り崩しができない」iDeCoルール


iDeCo
【画像出典元】「umaruchan4678/Shutterstock.com」

iDeCoは年金の上積みという性格を持つため、取り崩しは最短でも60歳以降と定められています。この60歳以降の取り崩しというルールはメリットでもあり、デメリットでもあります。

メリット

60歳まで取り崩しができないため、老後資金をしっかりと準備できる
貯金をしてもついつい使ってしまうという人にとって、60歳になるまでは引き出しができないというiDeCoのルールは、老後資金の準備方法として適しています。

長期・分散・積立でしっかりと資産運用ができる
60歳までの期間を運用期間としてしっかり利用することができます。新NISAなどで利益が出るとついつい売却してしまうというケースも多く、結果として長期運用に結びつかないこともあります。一方iDeCoでは、マーケット価格が大きく上昇し、資産価値が増大しても60歳までは現金化できません。そのためしっかりと長期運用に取り組めるというメリットが期待できます。なおiDeCoにはスイッチングという機能があり、投資信託で出た利益を元本確保型の商品である定期預金や保険商品に移し換えて利益を確保することもできます。

デメリット

長期にわたって資金が拘束される
60歳までの期間が長ければ長いほど、掛金を拘束される時間が長くなります。あくまでも老後資金の準備のための制度なので、結婚・子育て・住居の購入などライフイベントの実現に必要な資金としては期待できません。ライフイベントの資金を運用で準備しようと考えるのであれば、60歳まで取り崩しができないiDeCoは向いていないと言えるでしょう。

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結局、私はどちらを選べばいい?

新NISAとiDeCo、似ている制度ですがどちらを選べば良いのでしょうか?

新NISAが向いている人

新NISAで積立するのが向いているのは18歳以上の人、全員です。2023年までのNISA制度では非課税で運用できる年数に限りがあり、投資できる金額もそれほど多くありませんでした。そのため老後資金も含め、長期運用で資金を育てるという面では少し物足りないところもありました。この物足りない点を新NISAでは補う形で制度設計されています。そのため老後資金や教育資金など、様々な目的に使いやすい制度になり、年齢や目的を問わず活用できるようになっています。

iDeCoが向いている人

iDeCoが向いている人は「お金があるとついつい使ってしまう」という人です。iDeCoは60歳までは取り崩しができないため、途中で使ってしまうというリスクがありません。そのためお金があるとついつい使ってしまい、お金が貯まらないという人にとっては強い味方になるでしょう。また、iDeCoの他にも金融資産がある人は節税効果を狙って活用していくという使い方もあるでしょう。いずれにしても60歳まで取り崩しができないという、iDeCoの特徴をうまく活かせるかどうかがポイントになります。