医療用ウィッグの選び方|覚えておきたい6つのポイント【専門家が解説】

外見の変化もケア、生活の質を高める

抗がん剤による副作用で髪が抜けてしまったとき、一番つらく感じるのは、容姿が変化したことよりも周囲から「がん患者」として注目されて、いつもの自分らしくいられないことだと言います。

今、がん治療の一つとして大切にされるようになってきたのが、アピアランス(外見)ケア。治療の副作用による外見の変化がもたらすストレスを軽くして、前向きに安心して治療が続けられるようにしようというものです。

「この10年で2割ほど、医療用ウィッグを使われる方が増えているように感じます。がん治療を継続しながら会社員として働き続けている方もいらっしゃいます。治療による外見の変化がつらくて誰とも会いたくなくなってしまった場合でも、ウィッグを着けてから驚くほど明るくなり、以前と同じように出掛けられるようになった方々もたくさん見てきました」と川本さん。

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サロンだけでなく、自宅や病院へ訪問もあり

アデランスでは医療用ウィッグ専門ブランド「ラフラ」を展開しており、サロンでは毛髪診断士資格を持つカウンセラーがさまざまな相談に乗ってくれるのだそう。

「抗がん剤治療の副作用による脱毛から発毛までの流れ、治療中の頭皮や髪をケアする方法、髪と同じように影響を受ける眉やまつ毛のカバーの仕方などもご説明しています。ウィッグの使い方だけでなく、外見的な変化にともなうお悩み全般に寄り添うように心掛けています」(川本さん)

カウンセリングルームはプライバシーが守られるように配慮されており、入院や通院時に立ち寄れるよう病院内に設置されたサロンもあります。また、希望があれば病院や自宅まで出向いてカウンセリングをしてくれます。

「すでに抗がん剤治療を始めているお客様のお宅へ伺った際、窓もカーテンも閉め、電気を点けることもできない状態だったことがあります。まだ髪に変化はありませんでしたが、カウンセリング中もずっとタオルで顔を隠されているほど、ふさぎ込んでいらっしゃいました」(川本さん)

1か月後、希望どおりにボブスタイルのウィッグが仕上がり、あらためて訪問。

「ウィッグを着けた途端に目に光が戻って、背筋がスッと伸びて別人のようになった様子は今でも忘れられません」と川本さん。

アデランスのカウンセリングルーム