NISAに並び個人の資産形成として注目されているiDeCo。原則60歳まで引き出すことができないのが大きな特徴です。また、NISAとは違い一時金で投資をすることができず、毎月の積立が前提となります。ただし、iDeCoはスイッチングが可能です。それまで積み立ててきたファンドを別のファンドに切り替えるということができます。

長きにわたり運用するiDeCo。どのような資産配分で投資するのが理想的なのでしょうか?今回は、30代独身と子育て世帯を例に紹介していきます。

投資対象資産の特徴は?

まず、投資対象となる資産の種類(資産クラス)について確認をしたいと思います。

iDeCoは定期預金や元本保証型の保険商品のようなものを選択することも可能ですが、長期的な資産形成を考えた場合、ある程度リスクを取って運用することが重要です。その際、リストにある投資信託の中から選ぶことになりますが、投資対象を大きく分けると、国内外の「株式」と「債券」に整理することができます。

以下は横軸に価格変動リスク、縦軸に外国為替リスクの大きさでまとめたものです。



 実際は価格変動の要因の1つとして外国為替リスクも含まれますが、この2つの要因に分けると上記のようになります。

4つの中では外国株式が、最もハイリスクな資産クラスとなります。もちろん、その分リターンも見込めます。世界株ファンド、先進国株ファンドなどがそれに該当します。一方、国内債券ファンドは一番リスクが小さく、安全性が高いといえます。

金融機関によっても異なりますが、これに不動産の投資信託であるREITをはじめ、その他の資産クラスを投資対象にした投資信託もあります。基本は国内外の株式と債券の位置づけを抑えておくことで、iDeCoと上手に付き合えると思います。

この4つの資産クラスをバランス良く組み込んだファンドも多いです。「バランスファンド(株式80)」といった場合、株が8割、債券が2割程度の配分であることを意味します。よって、株の比率が高く、バランスファンドの中でもややハイリスク・ハイリターンであるとみなすことができます。

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30代は積極的にリスクを取れる


リスク
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今回のテーマは30代の独身と子育て世代のポートフォリオですが、iDeCoは60歳まで引き出すことができないため、30代の場合、約30年の超長期投資となります。

よって、独身かどうかを問わず資産増大を期待して、最もリスクの高い「外国株式」を中心とした積立が良いと思われます。

特に積立は時間も分散されます。毎月一定額購入するため、ファンドの価格が高い時には口数を少なく、低い時には口数を多く買うことになるため、結果、平均単価が下がりやすく利益が出やすいです。これをドルコスト平均法といいますが、より価格変動がある方が、この効果が出やすいとされています。つまり、価格変動や為替の影響といったリスクを味方につけることができるのです。

よって50代ぐらいまではそのような方針で積立を続け、50代以降、それまで積み上げてきた資産の一部を、債券を中心としたファンドに少しずつスイッチングするといった方針も良さそうです。

例)資産残高の推移(イメージ)

上記は一例ですが、世界株の中でも、欧米などの先進国とアジアなどの成長国では、後者の方が一般的にはハイリスクとされています。よってリスクを調整するという点では年齢に応じて上のような見直しを行うのも効果的でしょう。