繰下げ受給をするなら何歳まで繰り下げるのがよいのか
いつまで繰上げ受給をすると総受給額が多くなり、得をできるのかは、何歳まで生きるかによって異なります。
受け取り開始時期と生きる年齢による年金の総受給額について、「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均的な厚生年金の受給月額は(14万5665円)となるようです。これを基に5歳刻みで試算してみます。
すると、データは下記のようになります。
図表
※筆者作成
上記表の内、黄色の部分が、一番受給額が多くなるタイミングとなっています。90歳とかなり長生きする場合であっても繰下げは72歳までとした方が、総受給額は多くなります。逆に75歳まで生きるのであれば、繰下げをせずに受け取った方が総受給額は多くなりそうです。
繰下げをするかしないか決める基準は?
繰下げをするかしないか、何歳まで繰り下げるべきかを考える基準のひとつに、平均寿命があります。これまでの試算を見る限り、年金をより多く受け取ろうと思ったら、増加額以上に受給年数が重要になります。
その点、平均寿命はひとつの指標になり得ます。多くの方が平均寿命近くまで生きると想定できるからです。
参考までに、厚生労働省の「令和4簡易生命表の概況」によれば、平均寿命について、男性は81.05年、女性は87.09年となっています。
平均寿命を踏まえると、持病があるなど平均寿命を迎える前に亡くなることが想定されることを除き、男女ともに67歳頃まで繰り下げる方がよさそうです。
配信: ファイナンシャルフィールド