作家・宗田理さん逝去 「肺炎」の原因・症状を医師が解説

作家・宗田理さん逝去 「肺炎」の原因・症状を医師が解説

肺炎の原因

肺炎の原因はどのようなことが考えられますか?

肺炎の原因は、細菌やウイルスなどの病原微生物が原因となる感染性と感染以外が原因となる非感染性があります。

感染性

感染性ではどのような原因が挙げられますか?

感染性は細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、クラミジア、寄生虫などの病原微生物が原因となります。

感染が起こる経路は、飛沫感染、接触感染、血液感染があります。

肺炎を発症している患者の咳やくしゃみに含まれる病原微生物が口や鼻から直接入り込む経路が飛沫感染です。

接触感染は、物品などを介して病原微生物が手に付き、その手で顔などを触って口や鼻などから病原微生物が入り込みます。ドアノブや手すり、トイレ、タオルなどが媒介物となります。

血液感染は、生後すぐや生後間もないときに血液を介して感染します。

真菌による肺炎はほとんどみられませんが、腎臓病や膠原病などでステロイドホルモン剤を服用している場合や白血病やHIVなどで免疫が低下している場合にかかることがあります。

非感染性

非感染性ではどのような原因が挙げられますか?

非感染性は唾液や食物が気道に流れ込む誤嚥や薬剤使用、膠原病、アレルギーの原因物質などが原因となります。

誤嚥による肺炎は、食物や飲み物を飲み込むときに、気道に入るのを防ぐための嚥下反射が低下している高齢者によくみられる肺炎です。

肺炎を起こすアレルギーの原因物質としては、粉塵、アスベスト、カビ、羽毛、ペットの毛、たばこの煙などが挙げられます。

肺炎の種類

肺炎の種類について教えてください。

肺炎には細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、非定型肺炎、間質性肺炎などがあります。

細菌性肺炎

細菌性肺炎とはどのような肺炎ですか?

細菌性肺炎は、原因菌として肺炎球菌がいちばん多く、次にヘモフィルスインフルエンザ菌b型(ヒブ)が多くみられます。ブドウ球菌も原因菌の一つです。肺炎球菌の潜伏期間は、1日から3日程度です。

ウイルス性肺炎

ウイルス性肺炎とはどのような肺炎ですか?

ウイルス感染で起こる肺炎で、細菌性肺炎との違いは膿性痰が出にくい点です。

乳幼児、高齢者ではインフルエンザウイルスが原因となることが多く、乳幼児ではRSウイルスやアデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが多くみられます。コロナウイルス、新型コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルスも肺炎の原因となるウイルスです。

体の外から入ってきたウイルスに感染する場合がほとんどです。腎臓病や膠原病の治療で免疫が低下している人は、以前に感染して体の中にひそんでいたサイトメガロウイルスによって肺炎を起こすことがあります。

非定型肺炎

非定型肺炎とはどのような肺炎ですか?

非定型肺炎には、マイコプラズマ属菌によるマイコプラズマ肺炎、クラミジア属菌によるクラミジア肺炎、オウム病クラミジアによるオウム病、レジオネラ属菌による肺炎があります。

マイコプラズマ、クラミジアは人から人への飛沫感染です。オウム病は、鳥の排泄物に含まれる病原体を吸い込むことや、口移しでの餌やり、鳥にかまれることで感染します。

間質性肺炎

間質性肺炎はどのような肺炎ですか?

肺胞の壁である間質に炎症が起こって壁が厚く硬くなるため、血液中に酸素を取り込みにくくなる病気をまとめた呼び名です。

間質性肺炎の原因は、原因不明の特発性、関節リウマチなどの膠原病に合併する膠原病性、薬剤によるものなどがあります。カビ、羽毛、石材、アスベスト、超硬合金などを吸い込むことでも起こります。

階段を上がるときや荷物を持ったときにみられる息切れや咳が主な症状です。無症状で、胸部のレントゲン、CTなどの画像で異常が認められる場合もあります。

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