年金生活していた75歳の母。「生活がカツカツだから」と仕事を探し始めましたが、体が心配なので止めたほうがいいでしょうか?

定年後の年金だけでは足りない毎月の生活費を補塡(ほてん)するために、定年後からでも仕事をしようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
 
年齢やスキルにより、職種は絞られる可能性がありますが、75歳以上からでも働ける仕事先はあります。
 
今回は、定年後の労働人口や就業状況、75歳以上からでも働ける仕事について解説します。75歳以上で仕事を選ぶ際の注意点もご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

定年後の労働人口と就業状況の割合

内閣府が2022年(令和4年度)に調査した結果によると、年齢別の労働人口と就業状況は、表1の通りです。

 

表1

 

労働人口 就業率 就業状況
男性 女性
65歳〜69歳 52.0% 50.8% 61.0% 41.3%
70歳〜74歳 33.9% 33.5% 41.8% 26.1%
75歳以上 11.0% 11.0% 16.7% 7.3%

※内閣府 「第1章 高齢化の状況(第2節 1)」を基に筆者作成

 

定年後からでも65歳〜69歳までで、全体の半数近い割合の方が何らかの仕事に就いていることが分かります。年齢が上がれば割合も減少しますが、75歳以上の方も全体の1割前後は働いています。

 

就業率は10年前の2012年と比べると、65歳〜69歳で13.7%、70歳〜74歳で10.5%、75歳以上で2.6%伸びており、年々上昇傾向にあるようです。

 

75歳以上の方でも働ける可能性のある仕事と年収

定年後は健康面やスキル面などから、働ける職種はある程度限定されてしまう場合はありますが、75歳以上からでも働ける可能性のある仕事はあります。

 

75歳からでも比較的始めやすい仕事と年収は、表2の通りです。

 

表2

職種 年収
警備 330万円程度
清掃 280万円程度
事務 490万円程度
軽作業(梱包・包装作業) 315万円〜380万円程度
マンション等の管理人 330万円程度
タクシードライバー 360万円程度

※職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「賃金(年収)」を基に筆者作成

 

これらの仕事に関しては、それほど年齢などの制限がなく、定年後からでも始めやすく求人も多い仕事になります。

 

ただし、上記でご紹介した年収に関しては、現役世代や正社員の方も含んだ全体の平均です。定年後に正社員ではなく、嘱託・契約社員またはアルバイトなどの雇用形態で働く場合は、平均よりも年収は少なくなると考えられます。

 

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