結婚してからずっと夫の扶養です。パート勤めですが、社会保険に加入しなければいけないのでしょうか?

Aさんは、58歳のパート勤めの主婦です。結婚と同時に専業主婦になってから、ずっと夫の扶養に入っています。40代からパート勤めをしていますが、最近ニュースで、パートの主婦も社会保険に入る必要があると聞いて、どのように働いたらよいのか悩んでいます。

2024年10月から変わる、適用拡大とは

2016(平成28)年10月から、厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入対象が週30時間以上働く人に加え、従業員501人以上の会社で週20時間以上働く人などにも広がりました。2024年4月現在は、従業員規模が101人以上の会社に対象が広がっています。

 

さらに2024年10月より、51人以上の会社に広がります。適用拡大によって、社会保険に加入することになる人は次のとおりです。

1. 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満

2. 月額賃金が8万8000円以上

3. 2ヶ月を超える雇用の見込みがある

4. 学生でない

Aさんのパート先の会社では、従業員(社会保険加入対象者)が51人以上います。Aさんは今まで、30時間未満に抑えて仕事をしていました。このままでは、今年の10月からは社会保険に加入しなければならなくなります。

 

会社から説明を受け、契約書を取り交わすことになるのですが、今までどおり働いて社会保険に加入するのがいいのか、それとも20時間未満に契約変更するのがいいのか悩んでいます。それぞれのメリット、デメリットを教えてほしいとのことです。

 

社会保険に加入するメリット

今後、Aさんが社会保険に加入するメリットとして、自身で健康保険に加入すると、私的な病気やけがで仕事ができなくなったとき、傷病手当金を受けることができ、給与の約3分の2の生活保障が受けることができます。

 

Aさんの給与収入が、生活の一部を担っているのであれば、傷病手当金を受けることで、療養費と生活の一部を賄うことができるでしょう。

 

さらに、厚生年金保険に加入することで、高齢期に受け取る老齢年金を増やすことができます。配偶者の扶養の範囲で働く場合、Aさんは国民年金の第3号被保険者です。高齢期の年金は国民年金のみですが、社会保険に加入すると、上乗せの厚生年金部分を受け取ることができます。

 

また、国民年金は原則、60歳まで加入ですが、厚生年金保険は、70歳まで加入できます。60歳以上で厚生年金保険に加入すると、万一、20歳から60歳までの期間に、年金に加入していない期間があると、その期間分を厚生年金部分でカバーでき、経過的加算が増えます。

 

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