自然描写が美しい名作プリキュア
そして何より「S☆S」は、内容面も素晴らしいのです。
「花鳥風月」という日本の美意識を下敷きに、精霊の概念、シリーズ随一の美しい自然描写、キラキラでありながらダイナミックな空中戦はアクションアニメファンをうならせました。
また咲と舞の友情の物語はもちろん、キントレスキーやゴーヤーンといった個性的な敵キャラ、そして日向咲の妹みのりちゃんを通じて変わっていく霧生薫、霧生満の関係性の物語はシリーズ屈指のエピソードです。
全体的に明るい作風でありながら、その根底に流れる、“滅びゆくもの”と“生まれるもの”との「生命の再生」の物語は、今でも多くのファンに語り継がれています。
映像面の美しさに加えシナリオのクオリティーを一切落とさず、最終回まで描き切った製作者の思いが、シリーズ20年を超える歴史の始まりとなったことは間違いありません。
プリキュアシリーズの方向を決定づけた作品
「S☆S」は確かに商業的には苦戦しました。
しかしそれは、プリキュアシリーズの方向性を見直す契機となり、その後のプリキュアシリーズの「変わり続ける」という選択をもたらしたのです。
もしこの作品がなければ、毎年新しいプリキュアが登場する構造も、毎年のようにテーマを変える作風もなく、20年以上続く長寿シリーズは生まれていなかったかもしれません。
花は咲き、鳥は舞い、風は薫り、月は満ちる。
20周年を迎えた今だからこそ、この名作プリキュアをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

