・煮込み: 実食
さて、その後煮込むこと数十分。そろそろいいだろう。
お分かりいただけるだろうか。ちっちゃい方が冬、デカい方が春である。あとやっぱり、長時間スープで煮込んでもより綺麗な緑色を保っているのは春キャベツの方な気がする。
さて、いただこう。
……わっ……かんねえな……。
さすがにこれだけ煮込むとどっちもトロントロンである。
ただし強いて言うなら、意外なことに春キャベツの方が口に残る気がした。柔らかいのだが、柔らかいままの繊維感がずっとあるというか。全然普通に美味しいのだが、わざわざ春キャベツを煮込みに使うメリットもないかな、という気もする。
対して冬キャベツは、生や炒めのときに気になった固さが見事に消え、本当に溶けていく。繊維質の感覚が残らない。青臭さもスープのフレーバーと化して味に深みが出ているし、あと、甘い。これがけっこうびっくりした。マジで甘い。
・結論: 春キャベツは若者
思ったより差が出たな……。
なんといっても明確にわかったのは、春キャベツが強いのは「生に近いとき」であるということ。水分量が多いためそのままで瑞々しくしなやか、クセがなく食べやすい。
ただし、水分量が多くクセがないというのは時に「味に深みが足りない」ということをも意味する。ゆえに、じっくり火を通して味を引き出す調理法ではどうしても冬キャベツに遅れをとってしまうのだろう。
──そう、それはまるで新卒の若者のように。ある程度までは軽く爽やかでそつなくこなすものの、ある程度まで煮詰めると急に頑なになる。最後のひと押しのところで打ち解けてくれない。それは自らの青さ、浅さを知られたくないが故の強がりなのかもしれない──
……はい、というわけで、春キャベツは「若者」であることが判明した。この瑞々しさを味わえるのは今だけなので、見かけたらぜひ買ってみてはいかがだろうか。千切りがおいしいよ!
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.
