夜間頻尿や足のむくみを改善する方法

夜間頻尿や足のむくみを改善するため、私がお勧めしているのが、ふくらはぎを温めることです。

ふくらはぎ用のサポーターやレッグウォーマーを、できれば入浴時以外は1日中、装用されるといいでしょう。

ふくらはぎの温め方
市販のレッグウォーマーを両足に装用する。
冷えがひどい場合は、レッグウォーマーの上から、使い捨てカイロをはる。
カイロをはる場合は、低温やけどに注意。

ふくらはぎを温めて、夜間頻尿や不眠が改善した方は多くいらっしゃいます。「5回以上もトイレに起きていたが、1~2回に減った」「1回も目覚めることなく、ぐっすり眠れるようになった」などの声も多く聞かれます。「高かった血圧が下がった」という人もいます。

こうした効果があるのは、全身の血行がよくなり、体温が上がるためだと考えられます。

私の接骨院で十数名の方にご協力いただき、ふくらはぎを温めた前後の体温の変化を調べたことがあります。遠赤外線の出る機器(脚温器)で、ふくらはぎを10~15分温め、その前後にわきの下で検温しました。

すると、全員の体温が上がったのです。平均で0.5℃、最高では1.7℃も上昇しました。

体温が上がれば、皮膚表面の血管が開いて血流がよくなります。逆に、腎臓に送られる血流は減り、夜間頻尿が減るというわけです。

また、体温が1℃上がると、基礎代謝(じっとしていても消費されるエネルギー)が12%上がるといわれています。常にふくらはぎを温めていれば、基礎代謝が上がって、やせやすくもなるはずです。

体温が上がると免疫力も高まりますし、自律神経やホルモンのバランスも整います。女性の生理不順や更年期障害、また、男女ともに不妊体質を改善するのにも、ふくらはぎを温めるのは有効です。

寝違えや腰痛を防ぐ

ふくらはぎを温めると、腰など他の部位の筋肉の緊張もゆるむので、腰痛の改善にも役立ちます。冬場は筋肉が硬くなり、背骨の動きが悪くなるため、ぎっくり腰や首の寝違えが増えますが、その予防にも有効です。

この記事は『安心』2022年3月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b599545.html