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 現在テレビや雑誌で引っ張りだこのプチプラショップ、スリコこと『3COINS』。使い勝手がよく丈夫で、トレンドを取り入れた高見えするデザインのアイテムは、これまでのプチプラのイメージを打ち破り、若い世代を中心に大ブレイク中です。

 スリコといえば生活雑貨のイメージが強いですが、実は一部店舗(3COINS+plusなどの大型店)では食品の取り扱いがあり、全国から集めたこだわりの商品がずらりと棚に並んでいます。

 中でも特に高い人気を得ているのが「ごはんもん」シリーズ。ごはんに合う缶詰や瓶詰めなどのおかずが90種類近く揃っていて、プチプラショップらしく、どれもお手頃価格で購入することができます。

 今回はそんなごはんもんシリーズから、美味しくて楽しい隠れた名品「卵焼き出汁」をご紹介しましょう。

日本各地の卵焼きを自宅で簡単に作れる「卵焼き出汁」とは?


各324円(税込)

 こちらはその名の通り、卵焼きの出汁。「関東風卵焼き出汁」、「関西風卵焼き出汁」、「九州風卵焼き出汁」の3種類があり、好みに合わせて選んだり、複数買って食べ比べを楽しめる商品です。

 筆者は九州出身、関東在住7年目ですが、よく考えたら関東の「お母さんの味」的な卵焼きを食べたことがありませんし、関西風に関しては想像もできません。果たして、そんなに味の違いがあるのでしょうか?

 それぞれの箱の中には、個包装された液体の出汁が4つ入っています。


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 卵3つにこの出汁を混ぜて焼くだけで絶品の卵焼きが作れるそう。水が不要なのはありがたい! 水の量をいちいち計るのは地味に面倒ですよね。適当な分量の水を入れて、卵焼きの失敗作を何度となく作ってきたことか……。

 それぞれの出汁を器に出してみました。


右から関東風、関西風、九州風

 思いのほか、香りも色も全然違って驚きました。真ん中の関西風が一番色が薄いのも意外ですが、関東風も薄口のお醤油のような色合い。さすが九州風は予想通りの濃さで、香りも他の2種類とは比べられないほど甘いです。

 それでは、卵焼きを作って食べ比べしてみましょう!

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【実食】各地で卵焼きの味はどこまで違うのか!?


手前から関東風、関西風、九州風

 出汁の色がそのまま卵焼きに出ました。同じ卵、同じ火力で作りましたが、九州風はお砂糖がたくさん使われているからか、他の2つに比べると表面が若干焦げやすいので、作るときに注意が必要です。

甘さの中に上品なあご出汁が広がる「九州風」

 これは紛れもなく「九州風卵焼き」の味! 厳密には九州の中でも福岡寄りですね。福岡のおばあちゃんがよく作ってくれた甘~い卵焼きを久しぶりに思い出しました。しっかりした甘さの中に、ふわりとあご出汁の風味を感じます。

 九州出身の筆者にとって食べ慣れた甘さ。さらに、あご出汁の風味に懐かしさを覚えました。この甘さ、意外とご飯が進むんです!

かつおと昆布の旨みが詰まったしょっぱい系「関西風」

 仕上がりの色が一番きれいだった「関西風卵焼き」は、昆布とカツオの風味がしっかり効いた味わい。噛むたびに出汁の旨みがじゅわっと広がります。

 九州風とは対照的に塩味が効いたしょっぱい系卵焼きで、おつまみにも良さそう。お醤油の味はほぼ感じず、出汁を楽しむ卵焼きですね。これはこれで美味しい!

九州と関西の良いとこどり「関東風」

 九州風を差し置いて筆者が今回一番美味しいと思ったのが、かつお出汁香る「関東風卵焼き」。九州風と関西風の中間のような味わいで、甘さとしょっぱさのバランスが良い甘じょっぱい卵焼きです。ベースは九州風と同じく醤油なのですが、九州風に比べると甘さが控えめなので、その分出汁の風味を強く感じました。全てにおいてちょうど良い、好みが分かれないオーソドックスな味です。

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 同じ日本国内でも、こんなにも卵焼きの味付けに違いがあるなんて面白いですよね。さすが、ごはんに合う「ごはんもん」シリーズ。どれも濃いめの味付けでごはんが進みます。遠く離れた故郷の味を懐かしむのもよし、知らない地域の味を楽しむのもよし! 気軽に各地域の卵焼きを再現できるスリコの「卵焼き出汁」、おすすめです。

(撮影・文◎佐々木 舞)

●著者プロフィール

佐々木 舞
「美味しい」を求め、毎月お給料の半分以上が食費に消える元グルメリポーターのwebライター。美味しいモノがあると聞けば躊躇なく国境も越える食マニアで、これまで食べ歩きした国は60カ国以上。日本のご飯が世界で一番好き。そんな私が見つけた絶品グルメをご紹介します。