カリウム制限がある場合は注意が必要

ただし、ここで注意が必要なことがあります。それは「カリウム」についてです。

カリウムは、野菜や果物などに多いミネラルの一種で、体に必要な成分ですが、腎臓病患者さんの中には、血中にカリウムがたまりやすい人がいます。たまると、心臓などに弊害をもたらす危険性があるため、その場合は、医師からカリウムの制限が指示されます。

コーヒーには、ある程度のカリウム(コーヒー1杯当たりおよそ80mg前後)が含まれているため、カリウムが制限されている場合は、要注意です。全ての腎臓病患者さんがこれに当てはまるわけではないので、主治医に相談してみてください。

当院では、希望する患者さんには、1〜2杯コーヒーを飲んでもらった上で採血し、血中カリウムが上昇しないか確認することもあります。

腎臓病の治療として人工透析を受けていると、水分が制限される場合もあります。この場合も主治医に相談してください。

カリウムや水分制限がなければ、腎臓病の人でも安心してコーヒーを飲むことができます。適量がどのくらいかは決まっていませんが、先の研究結果を踏まえると、1日3〜4杯までが目安になるでしょう。

砂糖やミルクを入れると、その分、摂取エネルギーが増えます。ミルクに含まれるリン(ミネラルの一種)が腎臓によくない恐れもあるので、ブラックで飲むことをお勧めします。

なお、コーヒーを飲むと、中にはカフェインによる不眠などが起こる人もいます。その場合は飲む量を減らすか、飲む時間を早めるとよいでしょう。

この記事は『安心』2022年4月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b601538.html