角質のごわつきやざらつきが滑らかに!

ごわつきやざらつきが気になる部位の角質ケアにも、重曹を活用できます。

角質はケラチンというたんぱく質からできています。重曹のたんぱく質溶解作用は、厚くなり乾燥した角質の表面を、物理的にやわらかくし、除去しやすくします。そうした意味では、重曹は美容皮膚科の角質ケア施術である「ピーリング」と似た働きをしてくれるのです。

角質が厚くなりがちなのは、摩擦や押圧などの物理的刺激を特に受けやすい、ひじ、ひざ、かかと、足の裏など。重曹は、こうした部位をピンポイントでケアするのに向いています(やり方は下項を参照)。

定期的に行えば、厚くなった角質層が薄くなり、皮膚のごわつきやざらつきが改善します。スベスベと滑らかな肌に近づくでしょう。

スキンケアに使う重曹は「食用」と明記されている物を選んで購入してください。安全性が高いうえ、粒子が細かく、肌を傷つけにくいからです。

顔への使用は、基本的にはお勧めしていません

顔に使うということは、目に入る可能性があるということです。

目の角膜の構成成分は、たんぱく質です。重曹は、弱めとはいえアルカリ性ですから、たんぱく質を溶かします。目に入ることで、角膜を損傷するおそれが否定できません。

ただ、脂性肌のかたが目より下の部分に、あくまでスポット的に使うのなら差し支えないでしょう。例えば小鼻の周りや、あごなど、特に皮脂の多い部分には勧められます。重曹を加えて洗うことで、毛穴の黒ずみや肌のざらつき、吹き出物などの改善が期待できるでしょう。

やり方は、まず手のひらに洗顔料を泡立て、重曹を小さじ4分の1ほど加え、混ぜ込むようにして、さらに泡立てます。粒子で肌を傷つけないためです。

その泡を、鼻やあごなど気になる部分に置き、なでるようにそっと洗いましょう。最後は水でしっかりすすぎます。同様に、重曹を加えた泡で、胸の間や背中など、皮脂の多い部位を洗ってもよいでしょう。

ちなみにインターネット上には、重曹水にクエン酸を混ぜて炭酸を発生させ、その水で洗顔する人もいます。これも皮膚科医として、お勧めできません

酸を混ぜると、皮脂やたんぱく汚れを落とすアルカリ性という長所を中和してしまううえ、中和熱が発生することで、肌を傷めるおそれもあります。炭酸の泡による洗浄効果を期待するなら、市販の炭酸水を使うほうが安全です。

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抜け毛の減少や白髪予防が期待できる!

脂性肌の人は、洗髪に重曹を活用するのもいいでしょう。髪が脂ぎっている人、フケが多い人に向きます。ただし、目に入らないようくれぐれも注意し、アルカリ度が強くならないよう必ず水に溶かしてください。

洗面器1杯の水に、小さじ1杯の重曹を溶かします。洗面器に頭をさっと浸したあと、重曹水をよくなじませ、頭皮にもみ込みます。最後はシャワーの水でよくすすぎましょう。

髪が長い人は、なるべく髪を緩く結んでから洗面器に頭を浸し、結った頭に指を差し込むように頭皮を洗ってください。髪を重曹水に長時間浸したり、あまり頻繁に行ったりすると、髪がパサついて傷む可能性があるので注意が必要です。

頭皮の毛穴が皮脂で詰まると栄養状態が悪くなったり、毛根が細くなったりして、毛髪トラブルの一因になります。重曹でターンオーバーが促進されれば地肌の血行がよくなり、栄養状態も改善します。続けることで抜け毛の減少や白髪の予防効果も期待できるでしょう。

ここまで紹介してきたスキンケアは、いずれも週1~2回ほど行えば十分です。重曹で洗ったあとは、化粧水などの成分が吸収されやすい状態になっています。タイミングを逃さず、念入りに保湿することで、健やかな肌に生まれ変わるでしょう。