水漏れ時の補償の考え方
ここからは、水漏れ時の補償の考え方を、原因別に分けてご紹介していきます。
水漏れ(水濡れ)被害の原因が「自分」の場合
水漏れ(水濡れ)被害の原因が「他人」の場合
水漏れ(水濡れ)被害の原因が「配管」の場合
水漏れ(水濡れ)被害の原因が「自然災害」の場合
水濡れ被害の原因が「自分」の場合
水濡れの原因が自分の場合でも、「被害箇所」によって利用する保険が異なります。
被害箇所が自分の部屋の場合:自ら加入している火災保険で対応可能。
被害箇所が自分の部屋だけでなく、下の階の部屋まで及んだ場合:個人賠償責任保険
水漏れ被害の原因が「他人」の場合
他人から被害を受けた場合は、通常は他人が加入している個人賠償責任保険または施設賠償責任保険で対応可能です。
但し、時価と新価の差額が出る場合には、自ら加入している火災保険にて差額分を補償可能です。
水漏れ被害の原因が「配管」の場合
専有部または共有部の配管のどちらの原因かによって、対象となる保険が異なります。
共有部の配管のケース:マンションの管理組合が加入している火災保険の特約である施設賠償責任保険で対応可能
専有部の配管のケース:その専有部の所有者が加入している火災保険の特約である個人賠償責任保険で対応可能
(所有者が住んでおらず、賃貸している場合には施設賠償責任保険の対応となります。)
いずれの場合でも配管自体を直すお金は火災保険では補償されないので注意しましょう。
火災保険の対象となるのは、「配管の破損などにより生じた水濡れ被害」になります
また、分譲マンションの場合は、先ほど、説明した通り専有部と共有部で使える保険が異なります。
戸建ての場合は、自ら加入している火災保険で補償対象となります。
水漏れ被害の原因が「自然災害」の場合
自然災害は、火災保険の対象となる事故になります。
火災保険は火災だけでなく、水災、風災、雹災、雪災、落雷が対象となります。
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水漏れ被害が補償されないケース
火災被害のみの補償で契約している場合
補償対象外の物に水漏れ(水漏れ)被害があった場合
水濡れ(水漏れ)の原因が故意、過失の場合
水濡れ(水漏れ)の原因が老朽化・経年劣化の場合
3年以上前に発生した水濡れ(水漏れ)被害の場合
例えば、窓を誤って開けっぱなしにしていて、雨が入ってきて、水漏れした場合は、保険適用外になります。
また、老朽化や経年劣化で屋根等に損害があり、その隙間から雨水が入ってきた場合も同様に対象外になります。
火災被害のみの補償で契約している場合
実際にはあまり多くはありませんが、火災被害のみの補償で契約している場合には、水漏れは対象外になります。
火災の被害以外の各種自然災害や水漏れ事故は起きるケースがありますので、折角、火災保険に入るのであれば、火災保険の補償対象にしておいた方が安心でしょう。
補償対象外の物に水漏れ被害があった場合
火災保険では、保険の対象が建物と家財の2つあります。
両方の対象に火災保険を契約していれば問題ないですが、建物と家財のいずれか一方の火災保険に契約している場合には、契約していない保険の対象物は補償対象外になります。
水漏れは建物と家財の両方に被害を与えるケースが多いので、水漏れ被害をカバーしたい人は、必ず建物と家財の両方に対して火災保険を加入しておきましょう。
水濡れ(水漏れ)の原因が老朽化・経年劣化の場合
老朽化・経年劣化のみが原因とした水濡れは、補償対象外となります。
具体的な事例としては、雨漏りが多いでしょう。雨漏りは保険の対象とならないケースが多いので、屋根の防水対策はしっかりと行っておくことが大事なことです。
一度、雨漏りが起きてしまうと、多額の修繕費用がかかりますので、注意しましょう。
3年以上前に発生した水濡れ(水漏れ)被害の場合
保険は保険法(保険契約に関する一般的なルールを定めた法律)で事故日から3年以内に請求をしなければ時効になると明記されています。
但し、実務上では3年を超えたケースでも保険の認定がおりた事例はたくさんあります。
事故日から3年を超えた事故でも、保険金の請求ができる事故の場合は、遡っても構いませんので、保険会社に請求してみましょう。
注意点としては、保険の請求には、「事故があったことがわかる写真」や「修繕の見積書」が必ず必要になります。
特に写真は事故があったことを証明する唯一の資料になるので、それが無いと3年を超えた事故は保険会社に認定をもらうのはまず難しいでしょう。