インデックスVSアクティブ


AとBの選択
【画像出典元】「ivector/Shutterstock.com」

これはとても難しく奥深いテーマです。最近は「アクティブは良くない」とする風潮もありますが、いったん客観的にそれぞれの特徴を整理しましょう。

アクティブ型は指数を上回るように企業価値の分析などを入念に行うため、通常、インデックスファンドよりも信託報酬が高くなる傾向にあります。そして、銘柄を厳選した結果は、必ずしも指数を上回るとは限りません。さらには高い信託報酬が運用の足かせになり、結果、インデックス型のパフォーマンスを下回る可能性もあります。そういうこともありアクティブ型に否定的な意見が散見されるのです。ただし、指数を大幅に上回るアクティブ型のファンドもあり、その場合、インデックス型と比較すると長期的に大きな差が生じます。

例えば、あるアクティブ型の世界株ファンドの上昇率は20年で7倍。一方参考指数は20年で2倍ほど上昇していました。単純計算で20年前に100万円を投じて世界株ファンドを購入していた場合、インデックス型が約200万円、同アクティブ型ファンドは約700万円ということで非常に大きな差となるわけです。こういうファンドの存在を知るとアクティブ型に切り替えたいというMさんの気持ちは十分理解できます。

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信託報酬(運用管理費用)の違いがカギ!?

つみたてNISAの場合、買付手数料も無料、年間維持費にあたる信託報酬も一定以下とコスト面で優れたファンドが投資対象となっています。金融庁によると、2022年9月時点、信託報酬の平均は国内に投資をするインデックス投信で0.255%。海外が投資対象に加わっても0.31%です。一方、通常のアクティブ型の信託報酬は1.5%や2%近いものもあるため、やはり大きな差があります。

コストの違いを踏まえた上で、過去の運用実績やファンドマネージャーの運用方針(哲学)、専門家の評価などを参考にしてファンドを選ぶといったプロセスを経ることが大切です。「高かろう悪かろう」ではなく、「高いのには理由があります」そんなファンドを見つけてください。

なお、「つみたてNISA=インデックス型」という印象がある人が多いようですが、つみたてNISAでもアクティブ型のファンドを購入することができます。国内が投資対象の場合、信託報酬は1.0%以下、海外の場合は1.5%以下と信託報酬が一定以下のアクティブ型ファンドが選ばれていますので、取引先の証券会社等で取り扱いがあるかどうか確認してみてください。