ビリギャル激動の20代。結婚、離婚、そして初めての海外留学を決意するまで〔中〕

金髪にミニスカの高2のギャルは、全国模試の偏差値30。勉強には見向きもせず学校の問題児だった彼女が、塾の先生との出会いがきっかけで猛勉強の末、慶應義塾大学に現役合格を果たす──。"ビリギャル"こと小林さやかさんがその後歩んだ道のりを聞くインタビューの中編は、26歳で結婚したときのエピソードからスタート。

留学を後押ししてくれた「チーム」の存在


講演会の様子。中央の赤い服が小林さん(写真提供・小林さん)

じつは聖心女子大の大学院に入る前、坪田先生と会う機会があって、講演もたくさんやるようになっていた私は「日本の教育をよくしたい」と先生に熱く語ったんですね。そうしたら先生から「だったら、一度日本から出なきゃだめだよ。日本の教育しか知らないで、どうやって日本の教育を語るの?」と言われたんです。

そのときは、生活を変えることや英語をまたやり直すことへの躊躇(ちゅうちょ)があって決心がつかなかったのですが、大学院で取り組んだ研究を通して、ビリギャルのさやかとしてではなく、研究者として学校の先生をサポートするような活動をしたいと強く思うようになりました。

もうひとつ、留学しようと決めたのは、背中を押してくれた人の存在もあります。大学院に進学した年に出会って、その後再婚することになった今の夫です。彼とは友人を通じて知り合いました。付き合い始めた頃は、もう結婚に興味はなくて、してもしなくてもどっちでもいいよねっていう感じだったんです。お互い30歳を過ぎていたので、さまざまな経験を重ねてきていましたし。でも、付き合っていくうちに、この人と別れる理由がきっとこの先ずっと見つからないんだろうなと思い始めました。

今の夫とは、結婚と言うよりは「チーム結成」という感覚です。どっちかを立てなきゃいけないとか、夫婦であることを極端に意識するのではなく、夫は夫の人生を歩んでいて、私は私の人生を歩んでいて、でもチームとしてワクワクする目標も持っている。お互いのやりたいことをチームとして尊重し、協力しながらその時々に柔軟に役割分担をする。当たり前とかふつうとかいう言葉が気にならないくらい、私たち自身が私たちの人生の舵をとっている感じです。

そんな夫がある日、私がなにげなく「留学しようかな」とつぶやいたとき、「めっちゃ楽しそう! いいと思う‼ 俺も行く!」と目をキラキラさせて言ったんですよ。「えー、じゃあ私本当に頑張ってみてもいい⁉」「もちろん! 絶対行けるよ!」と、まだ受かってもいないのに、ふたりで抱き合って飛び上がって喜んで──。

これって、高校のときに私が慶應に行くと行ったときの、母の反応と一緒です。一番近くにいる人のマインドセット(気持ちの持ち方)って本当に大きくて、結果を左右すると思います。大学のときも今回の留学も、私はいつも一番近くの人に信じてもらえるから、頑張ることができるんだと思うのです。