繰り上げ受給のメリットとデメリットは

繰り上げ受給は、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。

<メリット>
・収入が少ない期間をカバーできる
・早めに受給して運用することもできる  
 

<デメリット>
・年金額が減額される
・障害年金が受給できない

繰り上げることで年金額が減るため、その点はデメリットです。また老齢年金を繰り上げ受給すると、その後、障害年金の給付事由に該当しても受給することができないなど、障害年金や遺族年金まで視野に入れると不利な状況になることも考えられます。

ただし60歳以降、大幅に収入が減って生活が苦しい状況になれば「背に腹は代えられぬ」ということで、早めに年金を受給できるのは経済的にも、そして精神的にもとても助かります。また、株や投資信託など資産運用が得意な人は早めに受給し、減額分以上の運用成果を出すことが期待できると考える人もいるようです。ただし、「損して得とれ」となるかどうかはその人の運用次第ですね。

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繰り下げ受給のルールは?

繰り下げ受給の場合、繰り上げ受給とは逆に「今のところ年金は必要ないので先送りしたい」といった人が最大75歳まで受給開始を遅らせられる制度です。この場合、1カ月あたり0.7%増額されますので、75歳(120月)まで繰り下げた場合は120カ月×0.7%=84 %増額となります。

なお、75歳までの繰り下げは2022年4月以降に70歳を迎える人が対象です。1952年4月1日以前生まれの人は70歳までしか繰下げできません。繰り下げ受給は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」同時に繰り下げる必要はなく、状況などに応じて片方は受給し、もう片方を繰り下げるといったことも可能です。