繰り下げ受給のメリットとデメリットは

繰り下げ受給のメリットとデメリットは以下が考えられます。

<メリット>
・年金額が増額される
・増額となった年金を生涯受給できる

<デメリット>
・早く亡くなると年金が受給できない
・税金や社会保険料が負担増となる場合も

受給開始を繰り下げることで1カ月あたり0.7%も増額され、その増額された年金額を一生受け取れるのは大きなメリットです。一方、早く亡くなってしまうと、結果として「繰り下げなければよかった」ということになりますし、繰り下げにより年金額が増加することで税金や社会保険料の負担も増え、手取りで見るとそれほど差がなかったと感じる人もいるようです。「できるだけ先送りして、年金額を増やすぞ」と考えたくなりますが、デメリットまで踏まえた上で慎重に判断したいですね。

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繰り上げ、繰り下げ受給について2022年4月改正点のおさらい


ポイント
【画像出典元】「stock.adobe.com/yumeyume」

ここまで年金の繰り上げと繰り下げについて紹介しましたが、2022年4月から大きく変わった点を改めて確認します。

<繰り上げ>
減額率が0.5%から0.4%に。2022年4月時点で60歳未満の人が対象

<繰り下げ>
繰り下げ期間が最大70歳から75歳に。2022年4月時点で70歳未満の人が対象

繰り上げは減額率が下がり、繰り下げはこれまでより5年間長くなって75歳まで繰り下げることができるようになります。ただし、いずれも2022年4月時点で繰り上げ・繰り下げの節目となる年齢に到達していない人が対象となります。つまり、2022年4月時点の年齢が61歳で既に繰り上げ受給している人が「0.5%の減額ではなく0.4%の減額率で計算しなおしてほしい」といっても残念ながら適用はされません。従来の減額率のまま年金額が計算されることになります。