日清食品のカップヌードルシリーズ。左から「カップヌードルPRO(高たんぱく&低糖質)」、定番の「カップヌードル」、「あっさりおいしいカップヌードル」 | 食楽web

●普通の「カップヌードル」、「カップヌードルPRO(高たんぱく&低糖質)」、「あっさりおいしいカップヌードル」の3種を食べ比べて味や美味しさの差を検証してみた

「カップヌードル」といえば、1971年に誕生した世界初のカップ麺。ご存じのように、定番の醤油味のカップヌードル以外に、シーフード、カレー、チリトマトやトムヤムクン、味噌味などなど、たくさんの種類が続々登場しています。

 筆者はその都度いろいろな味を楽しんでいますが、なんだかんだ言って、定番の「カップヌードル」を買うことが一番多いです。しかし最近でいえば、「あっさりおいしいカップヌードル」や「カップヌードルPRO(高たんぱく&低糖質)」という割と意識高めのタイプを食べる機会も増えました。

 とくに「カップヌードルPRO」は、よく流れているCMソング「美味しさそのまま、どうせ食うならPROがいいんだ~♪」というフレーズが思い出され、目下ダイエット中の筆者はつい購入しがち。そしてもう一つ、カロリーが低くて安売りしていることも多い「あっさりおいしいカップヌードル」もしょっちゅう買っています。

 で、いざ食べてみると、どちらも“美味しさそのまま”のフレーズ通り、通常のカップヌードルとなんら遜色なく、きちんと満足できます。しかし実際のところ、この3つを並べて食べ比べたわけではありません。


スーパーやコンビニに並ぶカップヌードルの数々(食楽web)

 で、ある日ふと疑問が湧いてきたわけです。本当にどれも「美味しさはそのまま」なんだろうか? と。そこで、通常のカップヌードルと、「あっさりおいしいカップヌードル」、「カップヌードルPRO(高たんぱく&低糖質)」の3つを一気に食べ比べて、差を確かめてみることにしました。

いざ、カップヌードル3種類を食べ比べ!


左から「カップヌードルPRO」、「カップヌードル」、「あっさりおいしいカップヌードル」。裏面の栄養成分表示を見比べてみた

 食べ比べを始める前に、「カップヌードルPRO(高たんぱく&低糖質)」と、「あっさりおいしいカップヌードル」についておさらいです。

 まずPRO。この商品のウリは、たんぱく質が多く糖質が低いということ。さらに現代人に不足しがちな食物繊維も豊富。具体的には通常のカップヌードルよりたんぱく質が約5g多く、糖質は約半分、食物繊維はレタス6個分。そしてカロリーは274kcalと、351kalの普通のカップヌードルよりも77 kcal低くなっています。

 そして「あっさりおいしいカップヌードル」は、通常のカップヌードルより麺の量が約8割減、かつ味付けもあっさり。そしてカロリーは263kcalと通常よりも88 kcal低いです。

 ちなみに価格は買う場所によってさまざまですが、参考までに1月末の大手スーパーの西友の例で言えば、通常の「カップヌードル」149円、「あっさりおいしい~」105円、「PRO」が203円といった具合です。

3つのカップヌードルの違い【お湯入れ前】


パッケージデザインにもそれぞれ違いが。横から見ると似ていますが、上から見ると差がよくわかります

 それではさっそく、3つを同時に作っていきます。といってもどれもお湯を注いで3分待つだけ。フタを「ココマデハガス」と表示してあるところまで剥がしてみて、いくつか違いを見つけました。


左から「カップヌードルPRO」、「カップヌードル」、「あっさりおいしいカップヌードル」。かやくの大きさに注目!

 まずかやく。一番小さいのが「あっさりおいしい~」です。エビも玉子も謎肉も、通常のカップヌードルに比べると明らかに小粒。しかも量が少ない! 謎肉好きとしてはちょっと寂しいです。

 一方、「PRO」のかやくは、通常のカップヌードルに比べると、エビも謎肉が大きく見えます。ちなみに、PROの謎肉に関してはパッケージに記載があり、「カップヌードルPRO」の肉は通常の謎肉よりもたんぱく質をたくさん含んだ高タンパクな“ハイプロテイン謎肉”だそうです。


微妙ながら、スープ粉末の色にも差があります

 つぎに、粉末スープの色。通常のカップヌードルと「あっさりおいしい~」は濃い茶色ですが、「PRO」の粉末は薄い茶色。例えるとインスタントのコーヒーのカフェオレの色みたいな色の薄さ。というわけで、お湯を規定の線まで注いで、3分待ちましょう。


お湯を注いで3分後

 完成した3商品。フタを開けると、その違いは一目瞭然。通常のカップヌードルと、「PRO」は具材が麺を埋め尽くすように浮かんでおり、しかもふっくらしています。しかも麺や具材がスープを吸い込んでいるせいか、スープが見えない!

 一方、「あっさりおいしい~」ですが、こちらは「見てない間に誰か食べたのか?」と疑いたくなるくらい、具材が少なく、スープもタプタプ見えています。少ない麺量&小粒のかやくの影響で、スープを吸い込めなかったせいだと思われます。


一番左の「カップヌードルPRO」は麺の質感が違う

 続いてのチェックポイントは麺です。通常のカップヌードルの麺と「あっさりおいしい~」の麺はほぼ一緒に見えますが、「カップヌードルPRO」の麺だけ、質感が明らかに違います。見た目が細くて、ちょっと締まって硬そうな感じ。麺にたんぱく質成分や食物繊維などを加えている影響と推察されます。

 では、一気に食べていきましょう。

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3つのカップヌードルの違い【味わい】


通常のカップヌードル

 まずは通常の「カップヌードル」を食べてみて、基本の味を覚え、すぐに「あっさりおいしいカップヌードル」の麺をすすってみると、かなり薄味に感じます。明らかに塩味を感じません。そして麺は一緒なのですが、スープも含め、全体的に塩味や脂が少ないせいであっさりしています。

 ただし、旨味はちゃんとあって、薄味でも美味しいです。もう一度、通常のカップヌードルに戻ってすすってみると、むしろ塩味がキツいなぁと思ったくらい。


「あっさりおいしいカップヌードル」はスープが薄味。麺は通常のカップヌードルと同じですが、かやくも麺も量が少ない

 続いて、「カップヌードルPRO」を食べてみます。スープの味の濃さや塩味の強さは、通常のカップヌードルとほぼ一緒。ですが、やっぱり麺が違います。口当たりがパツンとしていて、良く言えばコシがある、悪く言えばボソッとした感じ。全粒粉が入った健康食品的なテクスチャーです。そしてもうひとつの特徴としては、時間が経っても、通常のカップヌードルの麺と比べて伸びにくい。これはイイですね。

 さらにかやく1つ1つが大きくて、食感もくっきり&はっきり。「ハイプロテイン謎肉」は肉々しくて弾力があり、旨味もある。大きなエビも風味豊かでこれまた旨し。具材を食べる楽しみがあって、楽しいですね~。


「カップヌードルPRO」は、麺がパツパツ食感。かやく1つ1つが大きくて食べる楽しみがあります

 というわけで、通常のカップヌードルと「あっさりおいしい~」、「PRO」を比較してわかったことをまとめると、以下の通り。

●「あっさりおいしいカップヌードル」は、スープや麺が明らかに薄味。麺自体は通常のものと一緒。しかし麺量が少なく、かやくも小さい&少量。食べ終わった感想としては、あっさりしていて軽く、おやつ的な感じ。

●「カップヌードルPRO」は、スープも麺も味が濃く、塩味も強め。パツパツした食感の麺が特徴的。かつ、謎肉やエビなどのかやくが大きく食べごたえがあるので、1個でかなり満足感がある。


スープとかやくの比較。スープは、一番左の「あっさりおいしいカップヌードル」が薄味でした

 結論です。食べ比べてみると、かなり味わいが異なることが判明。通常のカップヌードルの味「そのまま」ではありませんでした。

 ただし、「あっさりおいしい~」は塩味が抑えめながらちゃんと旨味があるし、「PRO」は、スープの味はほとんど変わらず、しかも具材が美味しい。麺については好みが別れるかもしれませんが、食感がしっかりしていて食べ応えがあるので、こっちのほうが好きという人も多いと思います。

 ということでこの3つ、細かく見ると「美味しさ」の方向性がちょっと違いますが、「美味しさそのまま」というのは、決して嘘ではないと思います。ちなみに筆者の好みとしては、スープは「あっさりおいしい~」、かやくは「PRO」がそれぞれ好きです。みなさんもぜひ一度食べ比べて好みの味を見つけてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)