朝昼晩で均等にたんぱく質をとろう

年を取ってからも元気で健康に暮らすために、たんぱく質をしっかり補給し、いい栄養状態を保つことがたいせつです。では、このたんぱく質は、どのようにとるのがよいでしょうか。

1日に必要なたんぱく質摂取量は、性別や身長、体重、1日の活動量などによって差がありますが、目安としては1食20~30gをとることを目指すのがよいでしょう。

ここでたいせつなのが、毎食同じくらいのたんぱく質量を摂取することです。例えば朝と昼に10g、夕食に40gで計60gとるよりも、朝昼晩毎回20gずつ摂取したほうがいいのです。

たんぱく質から分解されたアミノ酸は、寝ている間も筋肉の材料となる以外に体のさまざまな機能を働かせるために使われています。しかし寝ている間は栄養の補給がされないので、特に朝はたんぱく質が足りなくなっているおそれがあります。

朝食は軽めに済ませるかたが多くいますが、1日の活動に備えてたんぱく質を補給しておくことが大事なのです。また、毎食均等にとったほうが、筋力の合成が高まるという研究データも実際にあります。

なるべくワンパターンにならないように、まんべんなく食べるとよいでしょう。肉は牛肉だけ、魚は白身の魚だけといったように限定してしまうのはよくありません。食品ごとに組成が違うため、できるだけ多彩な食品をとりましょう。

肉なら、鶏も豚も牛も食べる。魚なら、白身も赤身も青魚も食べたほうがいいでしょう。大豆ももちろん積極的にとってほしい食材です。豆腐や納豆など、さまざまな大豆製品が勧められます。

食品に含まれるたんぱく質量

卵(1個)6.1gソーセージ(1本)2.3gハム(2枚)7.4g食パン(1枚:8枚切り)4.0g牛乳(1杯:210ml)6.9gヨーグルト(80g)2.9gピーナツバター(小さじ1)1.1gロールパン(1個)3.0g6Pチーズ(1個)3.7g納豆(1パック:50g)8.3g焼きノリ(1パック)1.2gご飯(1杯:120g)3.0g豆腐(100g)7.0g※日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に作成

毎食20gの摂取を目指すうえで、肉や魚にどれだけのたんぱく質が含まれているか、知りたいというかたもいらっしゃるでしょう。私たちがよく食べる食品に含まれるたんぱく質量を上の表に記したので参考にしてください。

ちなみに、いわゆる肉や魚であれば、重量の約20%がたんぱく質量だと考えて差し支えありません。

たんぱく質摂取源としては、牛や豚なら赤身の部分、鶏肉なら皮をはずした胸肉やもも肉、ささ身が勧められます。

ひき肉やベーコンなどの加工肉は脂肪が多く含まれている場合が多いので、コレステロール値などが高めのかたは注意が必要です。

いきなり毎食20~30g食べるのは難しいかもしれません。難しいと感じたかたは、まずは無理のない範囲で始めてください。慣れてきたら、少しずつ摂取量を増やしていくとよいでしょう。

この記事は『壮快』2022年11月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b612666.html