20~30代が長期でローンを組むメリット


家を購入したカップル
【画像出典元】「stock.adobe.com/Drazen」

それでは40年ローンの対象となる20~30代が、長期で住宅ローンを組むメリットをみていきましょう。

月の返済額を抑えられる

同じ金額を借りるにしても、返済期間により毎月の返済額は大きく変わります。返済期間を短くすると毎月の返済額は高くなり、返済期間を長くすると毎月の返済額は低くなります。

よって、子供の教育費や毎月のやりくりにお金がかかり、住居費を抑えたい子育て世代にとって、40年ローンは大変有効な住宅ローンといえるでしょう。

住宅ローンの返済額を抑えることで、子供の教育費やレジャー・旅行などに回すことができ、生活を充実させられます。

借入期間が長いと審査に通りやすい

住宅ローンの審査において、金融機関は返済負担率を重視します。年収に対して年間の返済総額がおおむね30~35%以内でないと住宅ローンの審査に通りません。

よって35年ローンでは通らなかった審査でも、返済期間を5年延ばして40年ローンにすることで、年間の返済総額が軽減し審査が通りやすくなるのです。

物件をアップグレードできる

40年ローンにすることで毎月の返済額を軽減させる効果があり、かつ返済負担額の面からも審査が通りやすくなることは前述したとおりです。

ということは、審査が通りやすくなる分、借入額を増やして物件をアップグレードすることもできます。35年ローンでは審査が通らず手が出なかった物件も、40年ローンを組むことで審査に通り、手に入れることができるかもしれません。

返済ペースを調整しやすい・返済の選択肢が増える(繰り上げ返済など)

毎月のやりくりに余裕がある人があえて40年ローンを組み、返済ペースを調整できるのも40年ローンのメリットです。月の返済額が少なく済む分、貯蓄に回せるお金が増え、その資金を繰り上げ返済に充てることで返済期間を短縮することもできます。

例えば思うように貯蓄ができなかった年は繰り上げ返済をせず、余裕ができた時に繰り上げ返済を行うというように、返済プランの選択肢が増えます。

また、余裕資金を繰り上げ返済に回さず、NISAなどで運用し、資産を増やしてから繰り上げ返済するという選択肢もあります。住宅ローンの金利を上回る資産運用ができる自信がある人はチャレンジしてみてください。

団信に長期間加入できるため生命保険料の節約になる

民間の住宅ローンは団体信用生命保険への加入が義務付けられています。40年ローンであれば、この団信に40年間加入し続けられるため、生命保険の保障額を減額して生命保険料を抑えることができます。

このような考えから、あえて繰り上げ返済は行わず、生命保険代わりに団信を活用している人もいます。

(広告の後にも続きます)

35年ローンとの比較(月の返済額、返済総額)

今までメリットを中心にみてきましたが、実際に35年ローンと40年ローンを比較した場合、毎月の返済額や返済総額にどれくらい違いがでるのか、具体的に試算してみましょう。

(例1)
【金利】1.7%(全期間固定金利フラット35の平均的な金利)
【借入額】5000万円(元利均等返済)

(例2)
【金利】0.35%(ネット銀行の変動金利相場、返済期間中金利が変動しない前提)
【借入額】5000万円(元利均等返済)