住み替えローンを利用するまでの流れ


家の模型と計算機
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住み替えをする際、新しい家の購入を優先する住み替えのことを「買い先行」といい、今の家を売却することを優先する住み替えのことを「売り先行」といいます。ここでは売り先行の住み替えローンを利用する流れについてご説明します。

売却査定

まずは今の家を売却した場合いくらになるのかを不動産会社に査定してもらいます。この時注意してほしいのは、複数の不動産会社に査定を依頼するということです。大手の不動産会社と地元の不動産会社それぞれ一社ずつ以上は依頼するようにしてください。また不動産会社により査定額が異なるので、その査定額の根拠となった理由や周辺の類似物件の過去の取引状況なども情報収集してみてください。

不動産会社への告知(媒介契約)

複数の不動産会社に査定を依頼して、条件が良かった会社や対応が誠実な会社を比較検討し、売却をお願いする不動産会社を選んで契約します。その際に必ず「住み替えローン」を利用することを伝えてください。

売却活動

不動産会社から提示された査定額に基づき、家の売り出し価格を決めます。売買が成立した時は不動産会社に仲介手数料を、広告宣伝を出した場合はその広告料を支払う必要がありますので、その費用も考えて売り出し価格を決めてください。

また、買い注文が入った場合に、価格交渉(値引き交渉)をされることが多いので、その分もあらかじめ上乗せした価格設定しておいた方が良いでしょう。著者の経験上、必ずといっていいほど数十万円、数百万円の値引き交渉が入りますので、売り出し価格は高めに(強気に)設定することをお薦めします。

売買契約

今の家を売却する動きと同時に、新しい家も探しておかなければいけません。できれば今までの流れと同時並行が望ましいです。新しい家が決まったら住み替えローンの事前審査を申し込んでください。

また新しい家を購入する際の売買契約書には「買い替え特約」を必ずつけるようにしてください。買い替え特約とは、期限内に今住んでいる家が売却できなかった場合、契約を無効にすることができるという特約条項です。

引き渡し

今の家を買ってくれる人からの手付金を除いた残額は、家の引き渡しと同時に受け取ります。それから、今の家の抵当権抹消や所有権移転の登記の手続きを行います。併せて新しい家の所有権移転登記や抵当権の設定も同時に行います。固定資産税の精算やマンションの場合は修繕積立金等の精算も同時に行われます。

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住み替えローンのメリット・デメリット・注意点

住み替えローンの最大のメリットは、今の住宅ローンの残債を完済できなくても新しい住宅ローンを組んで、住み替えができるという点です。

住宅ローンの差額だけでなく売却や購入に伴う諸経費も同時に借り入れることができるので、手元資金を使わず家の買い替えができます。

一方デメリットは、住み替えローンを利用する場合は売買日を同日にしないといけないので、新しい家を探すスケジュールがとてもタイトになることでしょう。

また前述したように住み替えローンは、今の家の住宅ローンの精算、売買に伴う手数料を上乗せして借り入れるため、新しい家の不動産担保評価以上にローンを組む必要があります。このことでローンの返済額は通常の住宅ローンより多くなるため、毎月のやりくりや将来的なマネープランも十分に検討する必要があります。

担保以上のローンを組むため金融機関の審査が厳しくなることも注意点のひとつです。

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