利用したくない理由、「電子マネーへのチャージは都度自分でしたい」

ここまで、利用したい派の意向を伺ってみましたが、反対に「利用したくない」と答えた方は何が障壁となっているのでしょうか?


デジタル給与を利用したくない理由

Z世代で多かった理由は「電子マネーのチャージは都度自分でしたいから」「現金や銀行口座への出金時に手数料がかかるから」でした。

Y・X世代を見ると、「障害発生時に残高を保証してもらえるか不安だから」「電子マネーのセキュリティが不安だから」といったサービス自体への不安を感じている人も多いことが分かります。またどの世代も「申請するのが面倒だから」といった手続きの煩わしさなどが障壁となっている方が一定数いるようです。

では、逆にどのような条件であれば利用意向に変化が生じるのでしょう?


どんな条件が加わったらデジタル給与を利用するか

この質問に対する回答に世代間の違いはほぼなく、最も多かったのは「ポイント上乗せ」。次いで「現金や銀行口座への出金にかかる手数料の無料化」も半数の方が回答していました。何らかの「おトク感」や手数料で「損しないこと」を重視していると推測できます。

その他、「障害発生時も残高が保証される」といった安全性や、「全国的なキャッシュレス化の普及」「手続きの簡略化」といった利便性の向上を条件とする人も。

金銭的なメリットと安全性・利便性の向上がデジタル給与普及のカギとなりそうです。

以上が今回の調査結果です。

銀行口座を保有することが当たり前になっている日本において、手数料や口座振替などの面からも、給与の全額を電子マネーで受け取りたいと考えている方はまだまだ少ないようです。

しかしキャッシュレス化が進んでいる今、チャージをする手間を省くために給与の一部を電子マネーで受け取りたいと考えている人の割合は多いようです。特に今回の調査では、「Z世代」「副業をしている人」「アルバイトをしている人」「給与口座を複数指定できる人」のデジタル給与ニーズが高いことが分かりました。

まだまだ本格的にスタートしていないデジタル給与ですが、今後副業をする人が増えたり、仮に指定事業者が導入キャンペーンなどを実施したりすると一気に普及しそうな気配も感じられます。

【調査概要】
・調査対象:Z世代(18~26歳)、Y世代(27歳~42歳)、X世代(43~58歳)
・調査集計期間:2023年9月6日(水)~9月13日(水)
・調査機関:iBankマーケティング株式会社 
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:7,164サンプル(Z世代529名、Y世代2,014名、X世代4,621名)
※各データの内訳は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。

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