「自走式立体駐車場」の設置も検討しよう

収容台数の確保が必要で敷地面積が限られている場合、自走式立体駐車場を検討してみましょう。
ここでは、自走式立体駐車場についての特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

自走式立体駐車場とは?

立体駐車場は「機械式立体駐車場」「自走式立体駐車場」と大きく2種類に分類されます。
自走式立体駐車場は、ドライバー自身が自分の車を運転して駐車まで行う立体駐車場のことを指します。
立体駐車場の構造によって用途やメリットが異なるので、以下3タイプについてそれぞれの特徴を確認しましょう。

フラットタイプ

駐車スペースとスロープが連結している最もポピュラーなタイプです。
見通しが良く床が平坦なので、ショッピングカートや車いす、ベビーカーの移動がしやすく利便性が高いです。
大規模商業施設や病院などで多く採用されています。

スキップタイプ

フラットな駐車スペースを半階ずつ段違いにずらした立体駐車場です。
半階分を短いスロープで結んでいるため、省スペースで済むメリットがあります。
初心者でも運転しやすく、一定方向に移動しながら駐車スペースを探せるので、空き駐車場を見つけやすいです。
フラットタイプと同様、床が平坦なのでカートなどの移動も問題ありません。

連続傾床タイプ

連続傾床タイプは、床全体が緩やかな勾配のらせん状になっています。
駐車スペースがスロープに面しており、1周することで階を昇降できます。
スロープが独立していないので、その分他の2タイプに比べて収容台数が多くコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
動線がシンプルなので、運転しやすく安全性・利便性も高く、昇降中に空き駐車場も見つけやすいです。

自走式立体駐車場の特徴①多くの駐車スペースが確保できる

機械式立体駐車場と比較して、自走式立体駐車場は多くの駐車スペースが確保できます。
機械式立体駐車場は観覧車のような仕組みになので収容台数に限りがあります。
一方、自走式立体駐車場は縦と横に広く駐車スペースを確保できるので、その分収容台数を増やすことが可能です。

自走式立体駐車場の特徴②高さのある車も駐車できる

機械式立体駐車場は車をパレットに収容するので、車高が高い車はサイズオーバーによって利用できません。
その点、自走式立体駐車場は天井高にある程度余裕があるため、車高が高い車でも駐車が可能です。

自走式立体駐車場の特徴③入庫・出庫がしやすい

自走式立体駐車場では、チケットの受け渡しや料金の支払いなど運転手が乗車したまま入庫・出庫が行えます。
一方、機械式立体駐車場の場合、運転手が一度車から離れて操作パネルまで行かなければならないので時間を要します。

自走式立体駐車場の特徴④ランニングコストを抑えられる

自走式立体駐車場であっても、設備のメンテナンスは必要です。
駐車スペースの見通しをよくするための照明などが主に必要なコストになるでしょう。
機械式立体駐車場では、機械装置の部品交換や定期的なメンテナンスが必要な分ランニングコストがかかります。
自走式立体駐車場は頻繁なメンテナンスは必要としないので、その分ランニングコストを抑えられるでしょう。

自走式立体駐車場のデメリット

自走式立体駐車場のデメリットとして、車の使用者自らが車の出し入れを行うため接触事故を起こす可能性があることが挙げられます。
事故の発生リスクを抑えるために設計プランを検討する際は、通路の幅や車両幅、動線を考慮した駐車場にしましょう。
また、連続傾床タイプが採用された場合、スロープも駐車スペースも斜めの駐車場になっています。
駐車位置によっては、床は平坦ではなく緩い傾斜がついたスペースに駐車する場合も出てくるでしょう。

今回は、マンション経営をするにあたって重要な駐車場についてその種類や特徴、メリット・デメリットについてご紹介しました。
入居者にとって日々利用する駐車場は、入居を決める上で大きな判断材料です。
駐車場を検討する場合は、利用者のニーズや、使用条件、マンションの周辺環境に合わせた駐車場の選択が重要になってきます。
この記事を参考に、それぞれの駐車場のメリット・デメリット、管理にかかるコストなどを考慮して、最適な駐車場を選択しましょう。