【FP監修】40代の貯金額はいくら?平均値・中央値・世帯別・年収別を解説

40代は収入も増えたり、結婚や子育て、住宅の購入などのライフイベントで支出も増えたり、お金の動きが激しい年代です。そこで、40代全体の平均貯金額をはじめ、単身世帯、2人以上世帯、年収別などの貯金額をまとめました。自分の資産が全体のどの位置にあたるのか、老後の資産形成のすすめを参考にしてみてください。

【理想の貯金額】老後生活に必要な資金の計算方法

老後生活に必要な資金は、人によって異なります。以下の計算式によって、自分の老後に必要な資金を計算してみましょう。

必要な老後資金=(毎月の支出ー毎月の収入)×老後期間+その他の支出

STEP1.一ヶ月あたりの生活費を求める

総務省統計局が公表している「家計調査年報〔家計収支編〕(2022年)」によれば、老後一ヶ月あたりの生活費は項目別に以下の通りです。
なお、ここでは「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」と「65歳以上の単身の無職世帯」に分けています。

上記の結果から、毎月かかる生活費の合計額は65歳以上の夫婦のみ無職世帯で26万8,508円、65歳以上の単身15万5,495円と分かります。
ただし、老後にどのような家に住みたいか、セカンドライフで叶えたい夢があるか、によって必要なお金は変わってくるでしょう。健康状態によっては、医療費の負担が増えやすい人もいます。
自分の理想の老後生活という観点で、必要な老後資金を考えていきましょう。

【参考】総務省 「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」詳しくはこちら

STEP2.毎月の収入を求める

厚生労働省が公表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢厚生年金受給者の平均受給額は14.5万円、老齢基礎年金だけの人は平均受給額は約5.3万円です。

仮に配偶者の一方が会社員、他方が専業主婦(主夫)と仮定すると夫婦の年金額は一ヶ月あたり20万円ほどになるでしょう。

自営業や専業主婦(主夫)など国民年金だけしか加入していない人は、最大でも月に6万6,250円(67歳以下の場合)しか受け取れません。ただし、支払っていない期間については減給されてしまう点に注意が必要です。

公的年金以外にも、私的年金や退職金、不動産や株での収入が得られる人も一定数いることから、老後の収入は人によって大きく異なります。そのため、自身の老後の収入がどのくらいになるのかを事前に把握しておくことが大切です。

【参考】日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」詳しくはこちら

STEP3.老後期間を計算する

厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によれば、2022年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳となっています。
また、90歳まで生存する人の割合も男性で25.5%、女性で49.8%と、特に女性においては2人に1人が90歳近くまで長生きする結果となりました。

65歳で定年退職をしたとしても、20~30年ほどの老後期間があると考えた上で老後資金を計算したほうがよいといえるでしょう。

【参考】厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」調査結果 主な年齢の平均余命 詳しくはこちら

STEP4.その他の支出を考える

その他の支出とは毎月必ずしも生じる出費ではない、イレギュラーな支出を指します。

例として子どもの結婚やマイホームの購入における資金援助、介護費用やお墓の購入費があげられるでしょう。一概にいくら貯めておくべきといった答えがあるわけではありませんが、自身のライフプランも考慮したうえで不足しないだけの金額を確保しておくことが大切です。

STEP5.必要となる老後資金を試算する

ここまでの流れを踏まえたうえで、必要となる老後資金を試算してみましょう。

【前提条件】
毎月の支出が35万円
収入が30万円
老後期間が30年(360ヶ月)
※その他支出を300万円と仮定する

必要な老後資金=(35万円ー30万円)×360ヶ月+300万円

上記の計算式の結果、必要な老後資金は2,100万円となります。ここで求めた金額を定年までに用意するためには、どのぐらいのペースで貯金をしていく必要があるのか、計算結果を基に今一度考えてみましょう。

【あわせて読みたい】独身の老後資金はいくら必要?平均貯金額や上手な貯金方法について紹介!

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40代の老後にむけて貯金を増やす方法

老後にむけて、40代からできる貯金を増やす方法として、主に以下の4つが挙げられます。それぞれみていきましょう。

毎月の収支管理をして現状を把握する

貯金をするにあたって、毎月の収入や支出を確認し、現状を把握することは欠かせません。毎月の給与明細や預金通帳、カードの取引履歴をみることで1ヶ月のおおよその収支を確認できます。

最近は、全ての銀行口座やオンライン決済の情報などを一元管理できる家計簿アプリもあります。曖昧な状態でやみくもにお金を増やそうと考えるのではなく、現状を正しく理解したうえで貯金計画を立てましょう。

固定費の見直しをして無駄な支出を抑える

固定費を見直し、無駄な支出を抑えることで、全体的な支出を減らせます。
固定費に該当する項目として、家賃(住宅ローン)や通信費、教育費、保険料といった費用があげられるでしょう。
固定費の中でほとんど活用していない月額サブスクリプション課金や、身の丈に合っていない契約プランになっているものがないか、見直しの余地があるかも含めて確認することが大切です。

先取り貯蓄をする

なかなか現状でお金が貯まらないと悩む人は、先取り貯金をするのもひとつの手です。先取り貯金とは、毎月の収入から一定額を先に貯金へ回す方法であり、確実にお金をためることができます。

【あわせて読みたい】10万円でも大丈夫!資産運用の初心者におすすめの低リスクな投資

資産運用・投資をする

もし余剰資金があるのであれば、資産運用・投資をするのもおすすめです。低金利時代といわれる昨今、普通預金口座にただお金を預けていてもわずかな利息しかつかないでしょう。余剰資金を投資に回すことで、より効率的に資産形成ができます。

また、40代で資産運用・投資を始める際は自身のリスク許容度を正しく把握したうえで、身の丈に合った投資手法および投資額とすることが大切です。
長期投資や分散投資によって元本割れのリスクを軽減させながら効果的かつ計画的に、60代に向けて生活資金を貯めていきましょう。