バジルの入手方法

それでは、バジルを育ててみましょう。バジルは食欲をそそる強い香りが魅力! 自宅で栽培して、新鮮な摘みたての葉をさっと食卓に並べられたら、素敵ですね。

タネから育てる場合、発芽には20℃以上の温度が必要なため、4月下旬から5月の遅霜の心配がない頃に、タネ播きをします。

これはお住まいの地域によって変わりますので、タネの袋に記載されている時期を守ってくださいね。

初心者さんは、すでに15cmほどのサイズになって販売されている苗を入手しましょう。苗を買う場合は、葉っぱの色が生き生きとした緑色で、茎が太く、葉と葉の間の節が詰まっているものを選びます。また、葉っぱの裏や葉の付け根をよく見て、虫がいないかどうかもチェックしておきましょう。

バジルの苗は4月上旬から販売され始めますが、もともと寒さには弱い熱帯植物です。また、ビニールハウスで栽培されている苗は急激な寒さに当たると弱ってしまいます。このことから、気候が安定するゴールデンウィーク以降に購入・植え付けがおすすめですよ。ゴールデンウィーク前にバジル苗を買ってしまった場合は、ゴールデンウィークの頃までは、夜間だけ室内に取り込んだほうが冷え込みで葉っぱが黒くなるリスクを減らすことができます。

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バジルを育てるポイント

続けて、もう少し詳しくバジルを上手に育てるコツを見ていきましょう。そのまま、上に伸ばしておくだけではもったいない! 収穫量を倍増させるお手入れ・摘心や、置き場所、水やりのタイミング、管理方法などをまとめてみました。

摘心

バジルは、成長して草丈20cmくらいになったら、芽先を摘んで脇芽を伸ばしましょう。脇芽が伸びてきたら、また芽先を摘むことを繰り返します。この作業を「摘心」といいます。この摘心を3~4回繰り返すと、枝葉の数が増えてたくさん収穫できるようになります。

はじめは、どこで切ったらいいの…? と不安になったり、思い切って切れなかったりするかもしれませんが、バジルが成長する夏場は、今あるサイズの1/3くらいを目安にカットしても大丈夫です。むしろ、そのままにしておくより、積極的に摘心をするほうが、長く収穫もでき、バジル自体の寿命も延びますよ。もちろん、摘心した葉は食べたり飲んだりできますので、摘心を兼ねて葉を少しずつ収穫してくださいね。

加えて、支柱を立てて株元を誘引しておきましょう。バジルは思いのほか大きくなります。夏の台風など、風が強い場合にはぽっきり根元から折れてしまうことも。そうならないために、ある程度大きくなったら、支柱にくくり付けておくことがおすすめです。

置き場所

バジルは、日当たりがよく、少し湿り気のある肥えた土地を好みます。暑さに強いので、夏の直射日光や西日が当たる場所にもおすすめです。うまく育たないという方は、まずは日当たりがしっかり確保されているかどうかをチェックしてみましょう。一方、バジルは寒さに弱く、最低15℃以上の気温がないと育ちませんので、霜の降りる頃には枯れてしまう一年草です。

水やり

高温多湿に強いバジルは、乾燥に弱いので、夏場はこまめに水やりをする必要があります。基本は、土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水やりを行いますが、夏場は地面に腐葉土やわら、刈った雑草を敷いておくと、乾燥を防ぎ、水やりの回数を減らすことにもつながります。土をむき出しにしないような工夫も乾燥対策として効果的ですよ。水やりの時間は、午前中がおすすめです。

また、プランターや鉢での栽培は、地植えに比べると乾きやすいので、水やりの頻度を多めにしましょう。

土と肥料・プランター選びと鉢サイズ

土は、湿り気のある有機質に富んだものを選ぶとよいでしょう。成長が早いので、肥料を切らさないようにすることが大切ですが、食べたり飲んだりするものなので、化成肥料より、有機肥料をおすすめします。プランターなどに植え付ける時には、ハーブ用の土や有機栽培用の土を使用しましょう。速効性の化成肥料を頻繁に与えすぎると、バジルの香りが落ちてしまうことがありますので、注意します。

加えて、プランターや鉢で栽培する際には、植え込む鉢のサイズがポイントに。今は15cmほどで可愛らしい姿をしていても、摘心を繰り返して育てていくことができれば、腰丈くらいの大きさになります。それを支えるには、上体部と同じくらいの鉢の大きさ(土の量)が必要になりますし、土の量がたっぷりあったほうが、根を張りやすく成長しやすいことや、土が多ければ水やりの回数も減らせるというメリットも。最低でも、1ポットにつき直径30cmほどの鉢を用意しましょう。小さめのプランター・少ない土の量よりは、大きめのプランターにたっぷり土を入れて、大きく育てていくことがおすすめですよ。

増やし方

バジルは、種まきで簡単に増やすことができます。発芽には20℃以上の気温が必要なため、関東以南は4月中旬以降にタネを播きましょう。この時期は、地域によって異なります。詳細はタネ袋に記載の時期を確認してください。

プランターやポット、平鉢などに、タネをバラ播きします。

タネは発芽するのに光が必要なので、土はなるべく薄くかけ、芽が出るまで水を切らさないように注意します。発芽までは不織布などをかぶせておくと、乾燥を防げますよ。芽が出てきたら、しっかりした芽を残し、少しずつ間引きをします。1つが10cmくらいになったら、定植します。初心者さんははじめから、タネ播きポットを使うと失敗が少ないと思います。

もう1つの増やし方は、挿し木。

芽先を葉が4、5枚になるように摘んで、湿らした赤玉土に挿して増やすこともできます。これを挿し木といいます。

生育が旺盛で水につけておくだけでも根が出てくるので、コップなどに挿して根が十分に出てから植えるのもOK!

病害虫

新芽や茎にアブラムシがつくことがあります。アブラムシは植物の栄養を吸い取って弱らせるので、見つけたらすぐに手でつぶすか、ガムテープなどでペタペタと株から引き剥がすようにします。また、ナメクジ・ヨトウムシにも害されやすいので、よく葉の後ろや茎をチェックして、見つけ次第捕殺してください。

日当たりが悪いと、カビが原因の病気になることもありますので、なるべく日に当てて育ててくださいね。