3.認知症の歩行における転倒予防策4つ
様々な認知症における歩行の特徴や介助についてご紹介して参りましたが、介護者を悩ませる課題の一つに転倒が挙げられます。
そこで、認知症の歩行における転倒予防対策を4つご紹介します。
3-1.ラベンダーの香りを日常に
ある研究にて、ラベンダーの香りを嗅ぐことで、認知症による焦燥感などのイライラする気持ちを減らし、転倒予防に効果があったことが証明されています。
日常的にアロマなどでラベンダーの香りを嗅ぐことは、転倒予防にお勧めの策です。
〈引用文献〉Fall prevention using olfactory stimulation with lavender odor in elderly nursing home residents: a randomized controlled trial.
3-2.環境を整える
認知症による歩行中の転倒を防ぐとは言え、四六時中見守りをすることは難しいのが現実です。
そこで、見守りの環境を整えることも転倒予防策の一つです。
例えば、病院でよく使用されるセンサーマット(センサーで動きを感知して知らせてくれるもの)や、音声コントロールデバイス(アレクサなど、呼びかけることで様子が動画に映るもの)など、積極的に取り入れることもお勧めです。
〈引用文献〉離床センサーを用いた高齢痴呆患者の転倒予防の試み
3-3.エクササイズやアクティビティ
四肢と体幹の筋力強化エクササイズや立位でのバランス訓練を行うことで、転倒回数が減ったという研究報告はたくさんあります。
また、1人で訓練をするのではなくグループで行うアクティビティも、認知症の転倒を減らす効果があります。
〈引用文献〉Focused supervision of high-risk fall dementia patients: a simple method to reduce fall incidence and severity
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〈内部リンク〉認知症の転倒予防にはコグニサイズ!注意力を鍛えて万全の対策を
3-4.歩行補助具の正しい選択
杖や歩行器を使うと転びにくくなると思われがちですが、認知症の方にとってはそうとも限りません。
間違った歩行補助具を選択してしまうと、逆に転びやすくなる場合もあります。
歩行補助具を操作しながら周りに気を配って歩くというのは、認知症の方にとって難しいことなのです。
認知症の種類や個々の症状に合わせて、歩行補助具を正しく選択することが大切です。
〈引用文献〉高齢者のカート歩行と認知機能の関係
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4.まとめ
認知症の歩行について、特徴や介助のポイント、転倒予防策を中心にご紹介致しました。
認知症の歩行介助や転倒対策は、症状によって異なります。
個々に合わせた対応が重要であるため、専門の医師やリハビリに相談することをお勧めします。