自粛期間中に不眠や動悸がひどくなり…

そんなどこかピリッとした夫婦関係のまま、新型コロナウイルスの影響による自粛期間に突入しました。夫は現在はフリーで働いているので、勤務日数が減るとその分収入も減ってしまいます。週6日働いていたのが週2日に減り、その他は自宅待機となりました。

この先、一体どうなるのか。先の見えない現状への不安をなんとか軽くしようと、私はいつもの倍以上の仕事を引き受けて、朝から晩まで机の前にかじりつくことになりました。子どもたちの世話はしますが、それも最低限。とにかくお金をなんとかしなくてはと焦る気持ちでいっぱいでした。

そのころから不眠になり、やっと仕事を終えてベッドに入ってもなかなか寝付けなかったり、夜中にふと目が覚めて、そこから夜明けまで眠れなかったりする日々が続きました。当然朝が来ても疲れは取れず、気持ちも沈みがちになり、急に動悸がすることもしばしば。ふと離婚の二文字が頭をよぎるときすらありました。

そんなある日、いつものように机に向かっているときに、やはりわが家の屋台骨は私ではなく夫なのだと気付いたのです。一緒に働いていたときも正義はこちらにあると信じ、夫の考えにじっくり耳を傾けることができず、常に批判的だった私の態度が今の夫婦関係を作ったのだ。体力的にも精神的にも限界に達した瞬間、唐突にそう自覚したのです。

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自粛期間を経て少しずつ関係に変化が

ずっと微妙に距離を置いてきた夫婦でしたが、このままではいけない。恐らくそれは夫も感じていたのでしょう。なんとかしようと1日中机から離れない私の様子を見ているうちに思うところがあったのか、その日「夕飯はどうするの?」と毎夕様子をうかがいに来る時間になっても夫は現れず、気付いたらキッチンに立ってスマホを片手にレシピを見ながら夕飯を作り始めていたのです。

私たち夫婦の場合、膝を突き合わせてとことん話をすることで変わったわけではありませんでした。ですが、お互い限界を迎えたこの日、偶然にも同じ方向に向けて舵を切ったのだと思います。それでも夫とはその後、自粛期間中に2回ほど大喧嘩をしました。

自粛期間で収入が不安定になったせいで精神的に追いつめられ、不眠や動悸に悩まされていると思っていましたが、実際にはその不安を誰とも分かち合うことができずにいたことが、私を追い詰めていたのです。どちらもきっかけはささいなことでしたが、普段言えなかったことをお互いに全部吐き出したことも関係改善へのステップになりました。