4週間飲んだら全員が効果を実感

この報告を受け、脊柱管狭窄症などの患者さん10人に、4週間ほどコンブだしを使ったハマグリかシジミのみそ汁を飲んでもらいました。マンニトールは、非常に分解されづらい物質で、大腸まで届きます。そのため、経口摂取でも十分効果を期待できると考えたのです。

実験の結果、4週間毎日コンブだしの貝のみそ汁を飲んだ患者さんは7人。この7人は全員、「ビリビリした痛みが消えた」「足に力が入るようになった」などの変化がありました。

同時期に、同じ治療を続けていた10人と、ローランドモリス指数(腰痛の程度を確認する質問表)で症状の変化も比較しています。

こちらでも、コンブだしの貝のみそ汁を飲んだグループは、そうでないグループよりも約2倍の改善を確認できました。ただ、足の痛みやだるさ、間欠性跛行などの改善は確認できたものの、しびれでは、あまり変化がありませんでした。

なお、この実験では、患者さんたちに、ハマグリなら1日に120g、シジミなら80gを食べてもらいました。3ヵ月を目安に食べ続ければ、症状の軽減が期待できると思われます。

ビタミンB12は水溶性ですから、汁物にすれば無駄なくとることができます。汁物で体が温まり、血流がよくなれば、痛みも軽減するはずです。薬味にショウガを使えば、体はより温まるでしょう。

コンブでだしをとるのが面倒という方は、市販の顆粒コンブだしを使用しても構いません。その場合、原材料に「マンニット(マンニトールの一般名)」と記されている商品を選んでください。

この記事は『安心』2022年6月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b605547.html