緑内障の場合、特に担当の医師とのコミュニケーションが重要だと感じています。というのも、緑内障はよほど悪くならないかぎり、はっきりした自覚症状が出てきません。ですから、自分の状態を正確に伝えるのが難しいのです。目が見えなくなることはとても怖いこと。今できる治療を根気よく続けていくことが最も重要だと感じています。【体験談】古村比呂(女優)

プロフィール

古村比呂(こむら・ひろ)

1965年、北海道江別市出身。85年、クラリオンガール準グランプリに選ばれた後、東映映画『童貞物語』で女優デビュー。87年、朝の連続テレビ小説『チョッちゃん』(NHK)でヒロインを務め、一躍人気女優となる。その後は、ドラマを中心に、映画・舞台など幅広く活躍。今年3月、子宮頸がんとリンパ浮腫とともに歩んだ10年間をまとめた『手放す瞬間(とき)』(KADOKAWA)を出版。5月6日には、映画『パティシエさんとお嬢さん』も公開。

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右目に続いて左目にも緑内障を発症

雪国生まれの私は幼いころから、目があまり丈夫ではありませんでした。故郷の北海道江別市は冬になると、辺りが雪で一面真っ白に染まります。その雪に反射する光があまりにまぶしくて目を開けられません。雪の白さに目が痛むのを耐えながら毎日小学校に通っていました。

女優として活動するようになってから、「目も光で焼けるんだよ」と、ある役者さんからいわれたことがありました。実際に小学校の高学年のころには、私はかなりの近眼になっていたのです。そして、それが現在の緑内障につながっているのかもしれません。

緑内障と診断されたのは、2019年の11月。がんの闘病生活のため、眼科にかかるのは2年ぶりでした。検査をすると、右目の緑内障が始まっているとのこと。近眼で、眼圧も高めだったため、緑内障になるおそれがあると以前からいわれていたので、驚きはありませんでした。

緑内障は今のところ治らない病気で、進行を遅らせることを目指すしかありません。指摘を受けてから、私は毎日、目薬をさしています。点眼は、入浴後に1回。緑内障の治療の場合、目薬を忘れずに続けることがたいせつなので、いちばん忘れないだろうと思われるこのタイミングにさしています。

その後、2021年7月。1年ぶりくらいに眼科にかかり、目の検査を受けました。すると左目も、緑内障が始まっていることがわかりました。

右目が緑内障になると、もう片方の目にも発症する可能性が高いと聞いていましたから、そのときは「ああ、そうか」という感じでした。

いずれにしても、両目にしっかり目薬をさして、進行を遅らせるしかありません。