土地の相続税評価額を80%減額できる「小規模宅地等の特例」とは?

土地を相続する際、相続税の負担を最大80%減らすことができる特例として「小規模宅地等の特例」があります。今回は、特例の内容や適用条件について丁寧に解説します。土地の種類や用途によって例外もあるので、具体例を参考にしてみてください。

相続時精算課税制度で土地を贈与した場合

相続時精算課税制度とは、原則、60歳以上の父母や祖父母が20歳以上の子どもや孫に対し生前贈与を行う際に選択できる贈与税の制度で、この制度を選択すると最大2500万円までの贈与が非課税になります(ただし、贈与した人の相続が発生した時には贈与した分も相続財産に足し戻して相続税を計算します)。
この制度を使って子どもや孫に自宅不動産を生前贈与していた場合、その自宅の土地について特例は適用できません。相続時精算課税制度はあくまで贈与であり、この特例は相続や遺贈・死因贈与などによって取得した土地にのみ適用されるものだからです。

【あわせて読みたい】相続時精算課税制度とは?手続き方法やメリット・デメリットを解説

【あわせて読みたい】善意がかえって迷惑に。知っておくべき「遺贈」に関する相続税の話

(広告の後にも続きます)

まとめ

小規模宅地等の特例は、相続発生後に活用できる相続税の負担を減らすための“最強”の特例の一つです。少しでも条件を満たす可能性があるなら専門家の助言を仰ぎながら適用への道を探りたいところです。特例の適用を受けるには、遺言書がない場合、原則申告期限までに遺産分割協議を終えている必要があるので、ご注意ください。

ご留意事項

本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

森田聡子

早稲田大学政治経済学部卒業後、地方紙勤務を経て日経ホーム出版社、日経BPにて『日経おとなのOFF』編集長、『日経マネー』副編集長、『日経ビジネス』副編集長などを歴任。2019年に独立後は書籍や雑誌、ウェブサイトなどで、幅広い年代層のマネー初心者に対し、難しい投資・税金・保険などの話をやさしく、分かりやすく「書く」(=ライティング)、「見せる」(=編集)ことをモットーに活動している。