ビタミンやミネラル必須アミノ酸も含有

酪酸産生菌やフィーカバクテリウム属は、腸内で食物繊維などをエサにして増殖します。そして大腸内で酪酸を産生して、悪玉菌の増殖を抑制します。

また、甘酒にもともと含まれているオリゴ糖は、炭素源として腸内細菌の栄養源となります。菌体の構成成分のもとになるものには、炭素源のほかに窒素源がありますが、レジスタントプロテインには炭素源に加えて窒素源も含まれています。

つまり、腸内細菌のエサとなる炭素源と窒素源の両方が含まれている甘酒は、最強のプレバイオティクス食品(善玉菌が増えやすい環境に整える役目を持つ食品)なのです。

こうしたことから、レジスタントプロテインが豊富な甘酒を積極的に摂取することは、肌質の改善や肥満予防、腸の炎症予防、免疫機能の強化など、多くの健康作用が期待できます。コロナ禍の現在において、心強い食品といえるでしょう。

甘酒には、ほかに脳や体のエネルギー源となるブドウ糖をはじめ、必須アミノ酸、ビタミンB群や多種類のミネラルが含まれていて、夏バテ防止にも有効です。甘酒を日々の食生活に取り入れて、健康増進に役立てていただきたいと思います。

この記事は『壮快』2022年9月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b609152.html