英・キャサリン皇太子妃、がんと闘う幼い子どもたちのために匿名で自身の髪の毛を寄付していた

2024年3月22日(現地時間)、がんを公表したキャサリン皇太子妃は、長年がんと闘う人々をサポートしてきたことで知られている。彼女のこれまでの支援活動の中には、世間にはまったく知られていないところで行われていたこともあるという。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。

長年がんと闘う人々を支援してきたキャサリン皇太子妃。かつて匿名でその病気と向き合う幼い子どもたちのために、自身の髪を約18cm寄付していた

どこかで小さな女の子が本物のプリンセスの髪の毛で作ったウィッグをうれしそうにつけていると思うと、とても素敵だ。


『Mirror』の報道によると、ビデオメッセージは3 月20日(現地時間)、水仙の花を背景に、英『BBC』のスタッフによって撮影されたという。Photo:Handout / Getty Images

2024年3月22日金曜日(現地時間)に公開された、がんと診断されたことを世界に発表するビデオメッセージの中で、ウィンザー城の外のベンチに座ったキャサリン皇太子妃の背景には、黄色い水仙の花が咲いていた。米版『マリ・クレール』がすでに報じたように、これは意図的なものだ。

世界中の多くのがん団体が、さまざまな種類のがんと診断された人々の希望のシンボルとして、水仙の花を使っている。この花は春に開花し、「再生と新たな始まりを知らせる」だけでなく、「毎年同じ時期に戻ってくることから、レジリエンス(回復力)と安心感を示す」と米誌『PEOPLE』は報じている。

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米誌『Us Weekly』によると、がんサバイバーやがん患者を祝福する「水仙の日」という日があり、「人々が水仙の花を襟元にピン留めする」という。「キャサリン妃と夫のウィリアム皇太子は以前、連帯を示すために水仙の花のピンをつけているところを目撃されている」と同誌は伝えた。


2012年3月、エリザベス女王とカミラ夫人(当時)とロンドンのフォートナム・アンド・メイソンを訪問時、ツイードのドレスコートに水仙の花をつけたキャサリン妃。Photo:Will / Getty Images

キャサリン妃はがん患者を支援するチャリティーの長年のサポーターであり、彼女自身が書いたという今回のメッセージの最後には、彼女が治療を続けている中で、「がんに人生を左右されたすべての人のことも考えている」としっかり言及。「どんな形であれ、この病気に直面しているすべての人は、どうか信念や希望を失わないでください。あなたは一人ではありません」と付け加えた。

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キャサリン妃ががんと診断されたニュースが世界中に広まる中、英紙『Mirror』は皇太子妃の知られざるエピソードを報じている。彼女はがんを持つ幼い子どもたちのために自分の髪の毛を寄付したという。その(豊かな)髪が崇拝されていることで有名なキャサリン妃は、「がんの治療中に髪を失った子どものために、リアルなウィッグを作るというチャリティーに自分の髪を7インチ(約18cm)切って寄付したと考えられており、その善行を匿名で行った」と同紙は報じた。

キャサリン妃が2018年、末っ子のルイ王子を妊娠中に美容師と話して、このアイデアを思いついたと伝えられている。情報筋の発言によると、彼女の美容師はキャサリン妃に、「ちょうど髪が長くなりすぎていたので」髪を切る時期だと言ったらしい。彼がキャサリン妃の髪を切っている間、「それを捨ててしまうのではなく、何か良いことをしようという考えが彼女の頭に浮かんだ」とのこと。キャサリン妃がそれを美容師に話したところ、彼は「素晴らしいアイデアだと思った」そうだ。

「他の人の名前を使って送られたので、その慈善団体はそれが王室からのものだとは知りませんでした。彼らはケンジントン・エリアに住む女性の寄付者からだと思っていたのです」と関係者は話した。「小さな女の子が、本物のプリンセスの髪で作られたウィッグを喜んでつけていると思うと、とても素敵ですね。ケイト(キャサリン妃の愛称)が行ったことはとても心温まることですし、そうでなければ捨てられていたかもしれない髪をそのために使ったことは、非常に思慮深いことです」

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キャサリン妃は2021年、4歳のときに急性リンパ性白血病と診断されたミラ・スネッドンに会ったことはよく知られている(ミラは現在8歳で、寛解している)。ミラのストーリーは、コロナ禍の最中にキャサリン妃が行った写真プロジェクト『Hold Still』に彼女の写真が掲載されたことでキャサリン妃に感動を与えた。ミラは「家の外に立っている父親に向けて、キッチンの窓越しにキスをしているところを写真に撮られたことで、ロックダウン中の孤立を象徴するようになった」と『Mirror』は報じている。「少女は白血病の化学療法を受けており、最初のロックダウン中、父親から隔離されているところを撮影された。父親は仕事を続けなければならず、家族の住む家にコロナを持ち込む危険を冒すわけにはいかなかったからだ」

その画像を見たキャサリン妃とミラは電話で話し、ミラの写真はキャサリン妃のプロジェクト『Hold Still』の展示と本のための100枚の中に選ばれた。2021年5月、スコットランド出身のミラと彼女の家族が、エジンバラのホリールード宮殿に招待されたとき、キャサリン妃と対面し、ミラのリクエストでキャサリン妃はピンクの服(英国ブランドME+EMのワンピース ※編集部注)を着ていた。

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「私がそうだったように、彼女(キャサリン妃)もまた勇敢になり、そして私がそうしたように、彼女は闘うでしょう」とミラは『Mirror』に語った。この2年間、体調が安定しているミラは現在、キャサリン妃の一日も早い回復のために、元気になることを願った気持ちを表すお見舞いのカードを作っていると報じられている。

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「ケイトはミラに対して、治療中も治療後も、思いやりと気遣いとサポートを見せてくれました」とミラの母リンダさんは同紙に語った。(キャサリン妃が主催する2021年のクリスマスコンサートにも母娘は招待された ※編集部注)「だから彼女が今、自分自身の健康上の苦難に直面しているのを見ると、とても感情的になってしまいます。がんは誰も入りたくないコミュニティーやクラブのようなものです。彼女がそのクラブに入ったと聞いて、私たちはとても悲しいですが、スネッドン一家は全員で応援していますし、彼女の幸せを祈っています。私たちは、彼女が(がんを)公表し、自身のストーリーを公に語ることができたことに賞賛するばかりです」

キャサリン妃のがんの種類とステージは明らかにされていないが、金曜日に発表されたスピーチの中で、キャサリン妃は「元気で、日に日に強くなっている」と強調している。

Translation & adaptation: Akiko Eguchi

英・キャサリン皇太子妃ががんを公表、その日を慎重に選んだと伝えられる