葬儀にはどんな種類があるのでしょう。今回は葬儀の種類一覧を徹底解説。遺骨の埋葬方式や近年増えている様々な葬儀の形態もご紹介します。故人を偲んで送り出す大切な営みなので、いざ自分が喪主として葬儀を執り行う場合のために、家族の間で話し合っておきましょう。
宗教にこだわらずに故人をしのぶ「自由葬」
最近は、特定の宗教・宗派にこだわらない「自由葬」も人気です。僧侶を招かず、故人の趣味や好きだったものを葬儀場に飾ったり、焼香の代わりに献花したりするなど、宗教色を取り去った葬儀が増えています。
音楽葬
美しい音楽の調べの中で、故人を送り出します。故人が好きだった音楽をCDで流したり、プロの演奏家のバイオリンやフルートなどの生演奏を組み込んだりすることもできます。クラシック音楽にかぎらず、エレキギターを飾り、ロック音楽を式場に流す「ロック葬」など、音楽葬の式次第や演出は遺族が自由に作り上げることができます。
花祭壇
従来の白木の祭壇ではなく、祭壇に花をいっぱいに飾るフラワー葬(花祭壇)も増えています。故人の好きだった花を中心にするなど、さまざまなフラワーアレンジメントが可能です。
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お墓ではなく自然の中に還る「自然葬・散骨」
死後はお墓に入るのではなく自然の中での埋葬する「自然葬」や「散骨」を希望する人が増えています。
海洋葬、樹木葬、宇宙葬などは、みなさんも一度は聞いたことがあるでしょう。いずれもお墓以外で供養を行うスタイルで、「死後は自然の中に還る」という日本人ならではの死生観にマッチしているため、最近、徐々に増加している供養のスタイルです。
樹木葬
墓石の代わりに、桜や紅葉などの樹木を墓標とするお墓で、最近、急増している自然葬の一つです。樹木ではなく、草花や芝生で彩られたガーデン風・花壇風のタイプもあります。
海洋葬
遺骨を細かく砕いてパウダー状にして海に散骨するスタイルの埋葬方法です。死後は「自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という思いや、さまざまな事情でお墓を持てない人の間で人気を集めています。海洋葬を行えば、お墓は不要になります。
海洋葬には、次の3つのパターンがあります。
個別散骨
一艘の船を貸し切り、家族や友人などの親しい人たちだけで海に散骨します。
合同散骨
2~3組の遺族グループで一艘の船を貸し切り、合同で海に散骨します。他の遺族グループと乗り合わせるので日程調節などの手間がかかりますが、費用は個別散骨よりも安くなることが多いようです。
代行散骨
遺族が業者に散骨を依頼し、業者が海洋散骨を行います。散骨が行われた証拠として証明書の発行や、写真での散骨の報告などのサービスがあります。
宇宙葬
散骨の一番人気は、前述した海洋葬ですが、最近は宇宙葬というスタイルも登場しています。遺骨をカプセルに入れて宇宙に飛ばす「ロケット葬」と、遺骨をバルーンに入れて空に打ち上げる「バルーン葬」があるようです。
海外散骨
業者に依頼して、生前に故人が希望していた場所に散骨します。ハワイ、グアム、オーストラリアのグレートバリアリーフなどが人気の海外散骨の場所となっています。ただし、散骨に関する法律については各国それぞれで異なり、違反すると罰金が発生することもあるので、個人で行わずに専門業者に相談すると良いでしょう。
【参考】一般社団法人 日本海洋散骨協会「ルール・マナー」詳しくはこちら